映画#15『ダークナイト ライジング』
作品の概要
『ダークナイト ライジング』
(原題:"The Dark Knight Rises")
監督:クリストファー・ノーラン
脚本:ジョナサン・ノーラン、クリストファー・ノーラン
出演:クリスチャン・ベール、マイケル・ケイン、ゲイリー・オールドマン、アン・ハサウェイ、トム・ハーディ、ジョセフ・ゴードン=レヴィット、モーガン・フリーマン、他
製作:ワーナー・ブラザーズ、シンコピー・ピクチャーズ、レジェンダリー・ピクチャーズ
公開:2012年7月20日(米国)
上映時間:165分
伝説が、壮絶に、終わる。「闇の騎士」の最後の物語
『バットマン ビギンズ』『ダークナイト』と続いた「ダークナイト・トリロジー」の三作目にして最終作となるのがこの『ダークナイト ライジング』だ。
前作にてジョーカーの策略通りに悪に染まってしまったハービー・デント。そんな彼の罪を一身に負ったバットマン、そして現れた新たなる悪「ベイン」。ゴッサムシティ、そしてバットマンの運命や如何に…
前作より8年後が舞台の今作。大分時間経ってるなぁ。
ブルースはバットマンを引退したことで引きこもりに。アルフレッドはその間「ブルースがバットマンに復帰する」ことを強く拒んでいた。
その8年間もの間、犯罪者たちは「デント法」により取り締まっていたそう。バットマンがいなくてもなんだかんだやっていけていたゴッサムシティ。
そんなゴッサムシティに現れたのがトム・ハーディ演じる「ベイン」。強靭な肉体と「ジョーカー」にも引けを取らないほどのカリスマ性を併せ持つヴィランだ。
原作ではマスクから薬剤を注入されることで怪力を発揮していたが、今作におけるベインはマスクからの薬剤は生命線の役割を果たしている。つまりあの怪力は自前のものということになる。バケモンである。
まぁ〜〜〜〜〜〜このベインもまたいい悪役で。ぶっちゃけ前作のジョーカーがあまりにも強烈すぎて影が薄くなりがちだけど、とにかく人を殺めることに躊躇いがない。
ジョーカーを「狂気」と言い表すのならば、ベインは正に「冷酷」だろう。後にトムは『ヴェノム』でアメコミ映画に戻ってくる訳だが。悪役も十分似合う男である。
そしてこのベインという男。なんとジョーカーでさえできなかった「実質的なゴッサムシティの支配」を成し遂げてしまう。市民を扇動し、金持ちや警官を排除するなど…正に「革命」に近い。
まぁ革命と言っても、爆発確定の核爆弾というとんでもない仕掛け種があるんだけども。
一方、ゴッサムに舞い戻ったバットマンはベインに戦いを挑むも敗れ、ベインが生まれ育ったという牢獄「奈落」に送られてしまう。
ここでまさかの『バットマン ビギンズ』での話が浮上。ベインはラーズ・アル・グールの息子であるという事実(実は違うけど)だったり、ベインは「影の同盟」を追放されていたり…
「奈落」の壁を登ることで脱出を図るも幾度となく失敗してしまうブルース。ここで亡き父・トーマスの「人は何故落ちるのか、這い上がるためだ」という言葉が蘇る。
何度倒れても何度も立ち上がる、不屈の精神を持つバットマンにはぴったりな言葉だとつくづく思う。
こうして再びゴッサムに舞い戻ったブルース。(あそこからどうやって閉鎖状態のゴッサムに戻ってきたんだろう…)
いよいよ市民軍と警官の全面衝突が始まり、バットマンとベインは再び拳を交える。
(銃撃戦ではなく殴り合いで鎮圧させようとする両者。アクション映画してるぜ!!!!)
マスクを破壊することでベインを追い詰めたバットマンだったが…なんと見方であるはずのミランダに後ろから刺されてしまう。ミランダこそラーズ・アル・グールの血縁者だったのだ。
「亡き父の遺志を継ぐ」と核爆弾の爆発を目論むミランダ。しかしその計画はバットマン、キャットウーマン、ゴードンらの手によって阻止される…が、ミランダが息を引き取っても尚核爆弾のタイムリミットは止まらない。
自身の命を犠牲してでも街を守ることを決意するバットマン。「ザ・バット」で核爆弾を運ぼうとする前、ゴードンに言ったセリフが
「ヒーローには誰でもなれる。簡単なことでいいんだ。少年の肩にコートをかけて、世界は終わりじゃないと教えて安心させるようなことだと言ってくれた男だ。」というもの…
『バットマン ビギンズ』にて両親を亡くしたばかりの幼いブルースにゴードンが行ったことだが、まさかここでこのシーンを掘り返すとは…胸熱にもほどがある。
核爆弾は無事海の向こうで爆発し、ゴッサムは破滅の運命から逃れることができた。だがバットマンは…
ブルースを守り抜くことができなかったと嘆くアルフレッド。行きつけのフレンツェのカフェに足を運ぶとそこにはブルースとセリーナ(キャットウーマン)の姿が。アルフレッドの言った通り、彼らは今後平穏な生活を送るのだろう。
そして作中でも活躍した警察官の一人、ジョン・ブレイク(本名は「ロビン」)はブルースから託された荷物からバットケイブへ足を運ぶ。
バットマンの「後継者」となった彼の物語は、我々が各々に考えるとしよう。
総評
最終作であるためか、キャッチコピー通り「壮大に」終わったなぁという感じ。話のスケールも前作とは比べ物にならないほど。
ただ冒頭でも述べた通り、前作のインパクトがありすぎて正直影が薄いかなぁ〜という印象。すごくいい作品なんだけどね。
そして忘れてはならないのがこれはクリストファー・ノーラン監督の作品だということ。今回もまたとんでもない撮影を行っております。
例えば映画開始直後、ベインが飛行機を乗っ取り博士を連れ去るシーン。飛行機の上に飛行機が重なり合い、下の飛行機を吊るすというシーンだが…はい。これCG使ってないそうです。マジで飛行機を実際に吊り下げて撮影してるそうな。クリストファー・ノーラン、もはや彼は映画の鬼なのかもしれない
他にもスタジアムの爆破シーンも実際にグラウンドを爆破させていたりと…ひたすら「リアル」を追求しているなぁ、と。
さてさて、主演のクリスチャン・ベールは来月公開『ソー ラブ&サンダー』でヴィランを務めるそう。非常に楽しみである。
参考↓
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