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映画#31『ブレット・トレイン』

『ブレット・トレイン』(”Bullet Train”)

監督:デヴィッド・リーチ
原作:伊坂幸太郎『マリアビートル』
出演:ブラッド・ピット、ジョーイ・キング、アーロン・テイラー=ジョンソン、ブライアン・タイリー・ヘンリー、アンドリュー・小路、真田広之、マイケル・シャノン、サンドラ・ブロック、ベニート・A・マルティネス・オカシオ、ザジー・ビーツ、他
製作会社:コロンビア・ピクチャーズ、87ノース・プロダクションズ
配給:ソニー・ピクチャーズ・リリーシング(米国)
   ソニー・ピクチャーズ・エンターテインメント(日本)
公開:2022年8月5日(米国)9月1日(日本)
上映時間:126分

Wikipediaより引用

弾丸の如く展開が襲い来る…新世代クライムアクション、発進

トム・クルーズらと同じく、壮年期に突入しても尚映画の最前線で活躍し続ける大スター・ブラッドピット。時は2022年、彼は『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』(2019)ぶりに主演として舞い戻る。それこそが『ブレット・トレイン』だ。

舞台は我らが日本、東京〜京都を走る東海道新幹線の内部。ブラピが演じるのはひたすらに運の悪い殺し屋レディバグ(てんとう虫)。彼の久々の任務は、車内のあるアタッシュケースを盗み、次の駅で降りるだけの簡単な仕事…のはずだった。車内では個性の豊かさが限界突破したかのようなユニークな殺し屋たちが集い、それぞれが互いに何かしらの因縁を持っていた。ある者は結託し、ある者は殺し合い…交差する思惑と展開が、弾丸の如き速さで観客を撃ち抜く。

この映画の特徴は何よりも展開の早さにある。シリアスとギャグを程よく織り混ぜ、アクションでは車内での狭さを活かした独特なものになっている。他の殺し屋たちは銃を使って戦うのに対し、レディバグは武器を置いてきてしまっている。故に多彩なアクションがこの映画では繰り広げられる。

展開が早い映画というのは観客が置いてけぼりになってしまう、そんなイメージを持つかもしれないが、この作品は違う。早い上に観客の目をしっかりと引き付けている。タイトル通り、まるで「新幹線」のような映画だ。

また、キャラクター1人1人の個性の強さもまたこの作品の魅力を引き立てている。作品内で登場する殺し屋たち、車内の一般客たちも含めるとその数は十数人にも及ぶ。

なのにも関わらず、ほぼ誰1人としてキャラクターが潰れていない。一つの場面に主要人物たちをあまり詰め込んでいない、というのも一つの理由だと思うが、彼らの過去も踏まえてしっかりと描ききっている。

その上深く考えさせられるような場面もない。(いい意味で)頭をカラッポにして鑑賞できる、まさしく「ハリウッド」らしい、そんな映画だったと言えるだろう。


まとめ

正直あんまり期待していなかったけれど、いざ観てみたら予想の何倍も面白かった!!!深く考えさせられるような、メッセージ性が強い作品もまた魅力的だけれど、こういう純粋でハイスピードなアクションもまた捨て難いと再認識させられたような感覚だ。

ただ何個か気になる部分もあった。その一つが背景描写だ。特に序盤、レディバグがマリアからミッションの内容を聞きながら東京の街を歩くシーン。やたらとネオン街じみた背景だったと思わなかっただろうか(一瞬秋葉原の大通りのシーンが映ったが、果たしてあそこに新幹線は走っていただろうか…)。

他にも女性の方や子供が普通に「クソ野郎」と言っていたりと…煽っている訳ではないが、「アメリカから見た日本はこういうイメージなんだろうな」と思わされるようなシーンが盛りだくさんだった。

しかしこの映画は「新幹線の如きスピードで観客を連れて進む物語」だと私は個人的に解釈している。監督たちに我らが日本がどう映っているかはさておき、非常に見応えのある作品であったことに間違いはない。

それではまた、次の映画にて。

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