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映画#13『トップガン マーヴェリック』

作品の概要

トップガン マーヴェリック
(原題:Top Gun: Maverick)

監督:ジョセフ・コシンスキー
出演:トム・クルーズ、マイルズ・テラー、ジェニファー・コネリー、ジョン・ハム、グレン・パウエル、ルイス・プルマン、他
配給:パラマウント・ピクチャーズ
公開日:2022年5月27日
上映時間:131分


再び空を駆けるトム・クルーズ、正統派の続編

1986年、空前の大ヒットを記録し、かの有名な「トム・クルーズ」の出世作となった、スカイ・アクション映画『トップガン』。その続編が、36年もの時を超えて遂に公開された。

36年。この長い歳月は映画の歴史を塗り替えるには十分すぎる期間だ。特にトム・クルーズは『ミッション・インポッシブル』シリーズで成功を収めた。しかもイケオジになっている。当時の圧倒的ハンサムは今でも失われていない。そんな気がする
そんなトム・クルーズが、あの伝説的作品の続編で戻ってくる。36年もの期間を経て。これを胸熱と言わずしてなんと言おうか。
近年でも『マトリックス リザレクション』や『ゴーストバスターズ アフターライフ』など、昔の映画のリブート、あるいは続編が制作されるという傾向がある(邦画でも『シン・ウルトラマン』がそれに含まれるかもしれない)が、今作はその中でもダントツで当時熱狂していた映画ファンの胸を射ったことだろう。

さて、今作を「正統派続編」と揶揄するのも理由がある…..とは言っても、私はまだ齢18のクソガキである。1986年当時の私はこの世に降り立っているわけでもないし、だからと言って幼少期からブルーレイやらでトップガンを観まくったわけでもない。
あえてぶっちゃけると、今作を鑑賞する前日に『トップガン』をAmazon Primeで鑑賞した次第である。
にわかだのその程度でトップガンを語るなだの言われても仕方ないのは自負している。だが前作を鑑賞し、目をガン開いて目を少し潤わせパソコンの画面を食い入るように観ていたのもまた事実。故に記憶も新しい。

本編が開始して、まず「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ」となったのはオープニング。『Top Gun Anthem』をバックに流れる「Top Gun: Maverick」のタイトルロゴ、そして『Danger Zone』と共に流れる、空母から戦闘機が発進するシーン。開始早々前作と同様のオープニングをぶっ込んで来るあたり、この時点で今作への期待感は右肩上がり。

…..と、ここで空母から戦闘機を発車させ空を舞うマーヴェリックが登場するのが前作の流れ…..なのだが今作は違う。
長年の時を経て、マーヴェリックは海軍を続け(ちなみにあれほどの功績を上げたのにも関わらず昇進を拒み続け、前作と変わらず未だに”海軍大尉”である)、更に音速飛行機体のテストパイロットとして、「ダークスター」に乗り込みテスト目標である「マッハ10」を超えることに成功する。
(その後マーヴェリックは目標を更に越えようと試み、結果ダークスターは大破しどこかへ不時着してしまうのだが….)

無謀な目標に挑むマーヴェリック/トム・クルーズ、その様はまるで『M・I』のよう…..
私はこれを「前作を鑑賞していない人でも今作を楽しめるようにした設計」だと考えている。権力を無視し、あえて無謀な挑戦に挑むその様は、「マーヴェリック」の人間性そのものを表している。どんな危険を冒しても何だかんだ生還する、という豪運も含めてだ。

そして急遽、「トップガン」に戻り教官として戻ることを命じられるマーヴェリック。前作のラストでは「トップガンの教官」になることを決意していたマーヴェリックだが、一年も経たぬ内に去ってしまったらしい。
古巣に待っていたのは海軍選りすぐりのパイロットたち….そして前作、不慮の事故により命を落としてしまった盟友グースの息子・ルースターだった。マーヴェリックはルースターの父親を救えなかった自責の念を、ルースターはマーヴェリックのせい(正確には亡くなったルースターの母親の頼み)で長らく海軍に入れなかったことで恨みをそれぞれ抱いていた。
しかしそういったわだかまりを乗り越え、やがて二人はかつてのマーヴェリックとグースのような信頼関係を築いていく。また、かつての前作でいうアイスマンのような存在であるハングマンともルースターは和解した。
夕暮れの空母で大勢から賞賛を受けながらチームメンバーと抱き合うシーンは、前作同様感動モノであった。


総評

無駄な捻りもなく、マーヴェリックの無敵感・人間臭さも健在。まさに正統派続編といった感じだった。

また前作同様、音楽も凄まじい。主題歌はレディー・ガガの『Hold My Hand』。またサウンドトラックにはOneRepublicの『I Ain't Worried』。時代の流れからか、前作のようにロック・ミュージックてんこ盛りとはならなかったが、十分に今作の魅力を引き出しているようにも思える。

ただ何故か…..『M・I』のような作風が多かったようにも思える。上映前に予告で流れたしね
特に作戦途中でマーヴェリックの機体が墜落し、敵からの集中砲火を避けるシーンはもうそれにしか見えなかった気がする()

36年ぶりに続編として制作された今作だったが、当時の作風は残しつつ、現代の撮影技術によって醍醐味であるスカイ・アクションは進化していた。
まだ観てない方は「なるべく」前作『トップガン』の鑑賞をした上で、IMAXなどで鑑賞することを是非ともオススメしたい。

〈参考文献〉


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