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サーチャーの悩み②:投資案件の見つけ方が分かりません

サーチファンドをやりたい人のよくある悩み、
前回の「買収資金がありません(出してくれる人がいません)」に続き、
今回は「いい投資案件の見つけ方が分かりません」について。

そもそも、うまい話はそんなにない

「いい投資案件の見つけ方を教えてください」
という相談者に、どうやって探しているんですか、とお聞きすると、
「M&A情報サイトに登録しています」という答えが一番多い、というか、ほとんどこのパターンです。

最近はM&A情報サイトも充実しており、良い案件が集まるようになっているので活用しない手はないでしょう。ただ、登録しただけで魅力的な会社が乗っていて、しかも買い手として自分を選んでもらえる(自分が一番良い条件を提案できる)なんてことは、なかなかないと思います。

そもそも、
・成長産業で
・利益が出ていて
・オーナーは売却希望があり
・条件も魅力的
などという買い手が理想とする案件が、そう簡単に売りに出てくるわけがありません。まずは、自分がどういう会社を探しているのか、何が必須条件で何を妥協できるのか、ある程度の基準を持つことは大事だと思います。

では、自分なりの基準のイメージがついた前提で、魅力的な投資案件はどうやって探せばよいのでしょうか。

①地道に続ける

一言でいうと、簡単に案件が見つかる魔法のような方法はないと思います。M&Aを目指して活動している旨を宣言し、ネットワークを作り、独自の情報網をつくるということを地道にやっていくことは必須だと思います。
会社の売却などという大きな話は、そんなに頻繁にでてくるものではなく、6か月、1年の単位で探し続けてようやく出会えるといった時間軸の話です。

私自身の経験でも、地道に活動を続けているうちに、忘れたころに「そういえば、伊藤さんM&Aまだやっているの?最近、知人の会社から相談を受けて・・」という話が舞い込むようになってきました。

②実績と信頼を積み重ねる

あなたの知人が、会社オーナーから事業売却の相談を受けたとして、その知人は誰に相談するでしょうか?当然、人としても経営能力という意味でも、信頼できる人に紹介するでしょう。

ではあなたは、大事な案件を紹介したい、任せたいと思えるだけの実績と信頼はもっているでしょうか?

M&Aや経営の経験が無くとも、少なくとも足元の仕事でしっかり結果を出すということはできるはずです。足元の仕事もできない人に、信頼して経営を任せる気にはならないでしょう。与えられた環境で、オーナーシップと責任をもって結果をだすことが、より大きな仕事を任される信頼につながっていくと思います。

今の仕事で思うように結果が出ないのを環境のせいにして、楽に社長になれる手段としてサーチファンドに興味を持つ人も稀に見受けられますが、そんな人が成功する訳はありません。サーチファンドという夢のある活動も、まずは現在の仕事で結果を出すという積み重ねの先にあると考えています。

③案件を創る

サーチファンドという名前から、投資案件は探すものというイメージが強いかもしれませんが、M&Aを成功させるには「案件を探す」というより「案件を創る」という意識が大切だと思います。

「M&Aなので会社の株100%を買収する」とシンプルに考えるのもよいですが、
・企業全体を買収するのが難しそうであれば、部門や一部の事業だけの買収を提案してみる。
・資金ニーズがありそうであれば、増資による株の取得を提案してみる。
・買収した後も、元オーナーにも残ってもらえるスキームを設計してみる。
・一緒に合弁会社を作って、その会社のアセットを利用しながら合弁会社を成長させる。

など、事業を取得するためには様々なやり方があります。
棚に並んだ商品を探す感覚では、そう簡単に良い企業と出会うことはできないかもしれませんが、会社の課題を理解し解決する手法としてのM&A(的なもの)を提案できれば、win-winの案件が創られることになるでしょう。

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note:kimitakeito
twitter:@Kimitake_Ito
web:Search Fund Japan

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