サーチャーの悩み①：M&A資金がありません

サーチファンドをやりたい人からの相談で、必ずでる悩みが二つあります。
「M&A資金がありません（出してくれる人がいません）」
「いい投資先の見つけ方が分かりません」

この課題に対しては、私なりに経験を踏まえた考えがあります。
今回は一つ目の「M&A資金がありません」について。

M&A資金は本当に無い？

「M&A資金がありません（出してくれる人がいません）」
いきなりですが、これは言い訳に過ぎないと思っています。

銀行、ファンド、個人投資家、事業会社・・・など、お金を持っていて、投資先を探している人たちはたくさんいます。
このコロナ禍でさえ、いろんなテーマのファンドが立ち上がり、M&Aが発表され、ベンチャー企業は資金調達を実現しています。

投資資金はどこかにあり、実際に投資が実現されているのです。

その人たちが、あなたやあなたの見つけた案件に投資してくれないのは、あなたの投資プランが魅力的でないだけだと思います。

優秀な経営者がいて、魅力的な事業計画があれば、その案件に投資しないわけはありません。
あなたがM&A資金を得られない本質的な問題は、「資金を出してくれる人がいない」のではなく、「投資を引き出すだけの魅力的な事業プランがない」ということでしょう。

M&A資金を持っている人はどこにいる？

ここまでの説明をすると、次に出る相談は「資金を持っている人を知りません」ですが、これも言い訳だと思っています。
個人で目指すM&Aの規模は数百～数千万円、大きくても数億円だと思われます。知人の知人までたどれば、そのくらいの資金力のある投資界隈の人や組織にたどり着けるのではないでしょうか。
企業M&Aを目指している人であれば、全くつながらないということはないはずです。

・会社の上司、社長には相談してみましたか？
・ビジネススクール時代の同僚、先輩、先生には相談してみましたか？
・Facebookの友人には相談してみましたか？
・銀行には相談してみましたか？

本当に良い投資案件と事業プランがあるのであれば、知り合い経由で提案してみればよいだけです。それでもアプローチしない理由は、投資プランが甘いことを自分でも分かっているか、本気で行動していないだけではないでしょうか。

打ち出の小づちを期待するのはやめよう

現時点では、日本において、個人主導のM&Aに対する資金拠出のハードルが高いのは確かに事実です。
それを突破すべく、私も個人M&Aやサーチファンドに資金を出せる投資事業の準備をしていますが、仮に私が十分な資金を準備出来たとして、個人M&Aだから、サーチファンドだからといって、誰にでも投資をすることはできません。

どこかからお金が降ってこないかなと、打ち出の小づちを当てにするのではなく、自分の投資プランに何が足りないのか、それを埋めるにはどうすればいいのか、を追求していくしか成功の道はないと思います。

そうして投資家を納得させられる魅力的な投資計画ができたときには、M&A資金を集められると同時に、M&A後の経営の成功確率もあがるのではないでしょうか。もちろん投資を得るだけの計画を描くハードルは低くないと思いますが、それを実感する過程こそ、M&Aの難しさを理解し成功に近づく道だと思います。

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