その信念/観念はプラスかマイナスか?

日本人は、日本語の「信念/観念」が既に判断を含んでおり、プラスマイナスの判断をしがちである。

英語の信念/観念である「ビリーフ」は、中立なものである。

つまり、日本語でいうところの「信念/観念」、それは「二次的体験(セカンダリーエクスペリエンス)」なのである。

つまり、信念/観念がポジティブだ、ネガティブだというのは、その結果だけを見て判断しているにすぎない。

たとえば、起きたことが気に入ったときには、これはプラスの信念/観念があ
ったんだ、気に入らないときは、マイナスの信念/観念だと考える。

そして、この判断がその人に大きな影響を与えることになるのである。

というのは、あることが起こり、誰かが、「これはマイナスだ」という「ラベル化」をした途端に、それは事実とは離れて「意見」にされてしまう。しかし同時に、人はもうそれを「現実」なのだと信じてしまうのである。

人が何かをA=Bと判断する。するとその自動化されたフィルターを通して判断するようになっているため、そこにはB以外の体験はなされなくなる

本来CでもありDでもある体験Aもまた、自動化されてしまうために、もはや「経験していない」に等しい。「経験から削除」されてしまう(コージブスキーの「一般設意味論」)。

さらに、ある人が判断した信念/観念が悪いものだと批判することは、「二次的体験」への批判である。

人には思考(マインド)があるので無意識に判断してしまうのであるが、信念/観念そのものがいいとか悪いとかではなく、人は「評価に対して自動反応」をしているだけであって、それは過去の学習の結果なのである

理解してほしいのは、信念/観念を批判すると必ず、その批判に対しての結果を伴う、ということである。

ニュートラルに信念/観念とは「構造や秩序を提供してくれる」ものだと考えることができるのであれば、その信念/観念の有用性を正しく評価していることになるのである。

◆参考文献:クリスティーナ・ホール博士の言葉を変えると、人生が変わる NLPの言葉の使い方 2009 ~信念/観念と現実 より
クリスティーナ・ホール博士(Christina Hall Ph.D)
1978年、NLP開発者であるリチャード・バンドラー氏らによって設立された世界で最も歴史の長いNLP協会、The Society of NLP の現理事長。
「究極の言葉の魔術師であり、NLPの発展に終わりがないことを証明し続ける人。NLPについて彼女に教えたことより、彼女から教わったことの方が多いと言えるだろう」By リチャード・バンドラー(NLP開発者)

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