さくら
誰もいない夜更けのそらをきみと泳いだ
遠くにかすんでいく街の明かり背にして
きみは自由の鳥 そらを越え海を抱く
僕も連れて行ってよ きみの住む世界まで
欠けた月が笑うから 僕だけが寂しかった
きみと出会ったあの日に 帰ろう 帰ろう
今は遠い春の日 引き寄せられたふたり
震える硝子のような細い指を握って
立ち並ぶビルの影で 行き交う人を眺めた
陽だまりに揺れる花の名前を捜して
君がくれたさみしさを忘れずにいられるかな
瞳に光が昇る さよなら ありがとう
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