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発達障がい児の子育て #29 弟の宿題をみてくれる娘の対応が上手すぎて見習いたい

小1の三男(ASD)に宿題をやってもらうことは、わが家では本当に大変な作業です。もともと書くことが極端に大変な子ですし、やりたいことからシフティングして机に向かわせることにも並々ならぬ工夫が必要です。

本来は親がしっかりと宿題をみてあげなければいけないとは思うのですが、私も仕事をしていますし、家に帰ってからそこまでの労力をかけて三男に宿題をさせることが難しい日も少なくありません(言いわけゴメンナサイ)。そのため、わが家では兄妹たちが三男に宿題のプリントを1枚やらせてくれたら1,000円もらえるというお手伝い制度をつくり、なんとか兄弟たちに三男の宿題をみてもらおうと試みました。

1枚1,000円というのはかなり高い方ではないかと思います。しかし、あまりに大変なので、高3長男は「1,000円じゃ割に合わない」と言い見てくれません。高専1次男は三男と同じASDで、似た者同士なのか相性が良くないので、そもそも関わり合おうとしません。唯一、中3の長女だけが、好んでこのお手伝いを引き受けてくれるありがたい存在です。

しかも長女は、私が驚いてしまうほど、三男への勉強の教え方が上手です。先日も拗音(小さい「ゃ」「ゅ」「ょ」が入る言葉)の課題の中で、三男が「ちょ」という音をどのように表記するか分からずにいた時…

姉:「ゆーっくり、『ちょ』って言ってごらん。何の音が入ってた?」

三男:「ちよーう…わかった!『ち』と『よ』と『う』だー!」

とやりとりしながら教えてくれていました。「う」は余計でしたが(笑)、とても面白いアプローチだと思いました。娘はそのようにして文字を習得したわけではないのに、こうした教え方ができるのは不思議です。

またあるときは、なかなか席に着こうとしない三男に対して、カウントダウンを使っていました。
その言い方も、緊張感を感じさせるような「5!4!…」といった刺激の強い言い方ではなく、

娘「ごーお、よーん、さーん、にーい…」

と駆け回る三男を見ながら、余裕のある言い方をしています。思い通りにさせようとする大人側の気持ちを敏感に察する三男なので、娘の言い方は合っています。

しかし、すぐにカウントは「1、0」と終了に近づいていきますが、まだまだ三男は座ろうとはしていません。やらなければいけないことは分かっているけれど、やりたくないという葛藤が伝わってきます。

すると娘はどうしたかというと、

「いーち……、0.9!、0.8!、0.7!」

とゼロにはいかずに小数を使い始めたのです。小数の意味なんてまだ知らない小1三男も、予想が裏切られたのが面白かったのか、なぜかこれには大爆笑!最終的には0.04くらいまでいったときに、ようやく着席することができていました。

小数を使うという発想は、私にはなかったです。
兄と弟がASDという環境に育った娘の対応が本当に素晴らしく、私も見習わなければと思った出来事でした。