曾祖母に関する嘘のようでほんとの話

私の家庭では、年に2,3回親戚で集まってかなり豪華なご飯を食べる。
(大体正月と夏の長期休暇)

「私が残すお金はみんなで楽しく食事をするのに使いなさい」
という亡くなってしまった曾祖母の遺言があるからだ。

そのおかげで今年2023年の元日も親戚が集まり、寿司やピザ、から揚げなどの豪華な食事が並び、とても楽しいひと時を過ごすことができた。

その翌朝、私は母とお寺へ初詣に行った。

そのお寺は曾祖母のお墓が近くにあることもあって、私たちの家族は正月はそこへ行くのが暗黙の了解のような感じだった。

初詣の帰りに、私と母は曾祖母のお墓参りに行った。

いつもはお盆に行くのだが、母が
「ちょっとお墓参りしてから帰ろう」
と言うので、お墓参りしてから帰ることにした。

お墓参りを終えた帰り道、母が突然
「こっちの道から帰ってみよう」
と通ったことのない道に行ってしまった。
私は反対したが、渋々ついていくことにした。

すると、1万円札が落ちていたのだ。
100円くらいだったら財布にスッと入れていたかもしれないが、大金であったため、家の近くの交番へ届けることにした。

なんであんな道から帰ろうとしたか聞いても母は
「あの道を通ってみたかった」
と訳の分からないことを。

不思議に思いながら帰っているとラーメン屋の前を通った。
そのラーメン屋は私が前から行ってみたいなあと思っていたところであった。

駐車場の前を通った時、車が入ろうとしたので止まったら車の運転手が
「通ってどうぞ」
とジェスチャーをしていた。
頭をペコリと下げようと運転手のほうを見たら、車に乗っていたのは見覚えのある人だった。
叔母と叔父、従妹であったのだ。

私と母は叔母たちとそのラーメン屋で昼ご飯を食べた。
念願のラーメン。とても美味しかった。

店を出て解散した後、母が
「1万円が落ちていたのも、偶然ラーメン屋の前で叔母とあったのもおばあちゃん(曾祖母のこと)がみんなで楽しく食事ができるようにしてくれたのかもね」
と言っていた。

ずっと食べたかったラーメンがこのような形で食べれて嬉しかった
「おばあちゃん、ありがとうございます。」
と心の中で感謝した。

その後、1万円を交番に届けると警察の方にものすごく驚かれた。
不思議なこともあるもんだなあと実感した1日だった。


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