見出し画像

「リオはいま英語が問題なだけ」。グリーンスクールの2ヶ月を振り返る

バリ島のグリーンスクールという学校に子どもを通わせたくて、赤ちゃん連れでバリに移住をした。

グリーンスクールとはどんな学校なのか?英語の話せない小学1年生の息子にどんな変化が起きるのか?赤ちゃん連れの母子移住はどんな生活なのか?

この冒険をいつか老後にゆっくり振り返れるよう、日記を綴ることにする。

でも、欲を言えば、いつか海外の学校にこどもを、と考えてるママさんパパさんの背中を少しでも押すものになれば、とも思っている。これは、わたしのサスティナブルな仲間探しの冒険の始まりでもあるのだ。

-----

学校が始まって2ヶ月。学校が2週間のホリデーに入ったので、この2ヶ月を改めて振り返ってみることに。

思えば、最初の3週間はわたしはポケーっとしていた。もともと社交的で、どこでも友達を作ってくる息子。初日からご機嫌に学校に通ってくれていたし、息子のことはあまり心配していなかった。

ところがだ。英語が話せない。通じない。何を言っているかわからない。授業がわからずつまらない。周りからバカにされているように感じる。そういった環境の中で、3週間目を超えたタイミングで、息子は色々なシグナルを出し始めた。

先生に相手をして欲しくて、笑いながら先生から逃げるようになった。どうしても昆虫を捕まえたくて、行ってはいけない場所に行くようになった。


先生とわたしに怒られることが増えて、息子はどんどん心を閉ざしていった。ストレスがたまって暴力的にもなった。


学校に行くのも、授業に出るのも「強制」された結果、息子は、日本ではまったく見せなかった「学校に行きたいくない。」「英語なんて話せなくていい。」と言って泣く姿を何回か見せるようになった。

学校をとにかく楽しんでほしい。そして、自信を取り戻してほしい。わたしはその一心で、息子に「大丈夫だよ」と言い続けた。

そして決心した。学校側の報告やジャッジを待つ、受け身の姿勢はやめようと。

親として、学校でできることはまだまだある。一番息子のことを理解しているのはわたしだ。いい方向に向かうかもと思ったことは、自信をもってどんどん学校に提案をしていこうと決めた。

息子が長く通うかもしれない学校だ。ずっと問題児として扱われるのは正直辛い。また、私立の学校なので超問題児は退学させられる可能性もなくはない。親の頑張りを今見せずに、いつ見せる?

わたしは学校の先生たちと、毎日息子の様子を確認しあい、毎週プランを見直すミーティーングをした。学校は、ありがたいことに、提案ひとつひとつを丁寧に検討してくれた。

学校側は、担任の先生と補助の先生、そしてカウンセラーの先生と英語補習の先生の4人体制だ。それぞれの先生のアドバイスを聞き、みんなで確認しながら最適なプランを決めていった。個人の意見や感情的な意見に偏らないのありがたいことだ。

結局息子は、幼稚園の年長に期間限定で通うことにした。今は「学びたい」欲よりも、「遊びたい」欲が強い息子。なので、遊びを通しての方が、早く英語を話せるようになるのでは、と考えたからだ。グレード1の担任の先生と幼稚園の先生とで情報共有をして、グレード1に戻るかどうかを定期的に検討することになった。色々と調整をしてくれた先生たち、受け入れてくれた幼稚園の先生、校長先生に感謝だ。

グレード1に戻って来たときに、プライベートのアシスタントの先生を雇うことと、ホリデー中の英語の補習も提案した。学校側はそれはいいアイデアだと受け入れてくれて、先生探しを手伝ってくれることになった。

先生たちから「リオはいま、英語が問題なだけ。リオは賢いし好奇心が旺盛。だから、英語でコミュニケーションが取れるようになったら、絶対に自分から学びたくなるから。大丈夫。焦らずいきましょう。」というコメントをもらった。わたしは思わず涙が出そうになった。


「問題児」「クレーマー」「モンペ」といったカテゴリーで、一色単に扱われない安心感。こちらから叩けば学校側に必ず響くという信頼。子どもにとって、楽しく誇らしい学校であって欲しいのと同時に、学校にとっても良き生徒、良き保護者でありたい。わたしの中で、学校とのパートナーシップが育っているのがわかった。


グリーンスクールでは週に1回、校長がコーヒー片手にカフェで保護者と話をする時間が設けられている。また、月に1回、保護者を集めたミーティングが開催される。先生のメールアドレスも、保護者全員に公開されている。学校が、保護者との対話をいかに重視しているのかがわかる。


日本にいた時、わたしは学校と子どものことについて本音で対話をしていただろうか?「サービスを受ける側」みたいな顔をして、その場しのぎの会話をしていなかっただろうか?


学校だけじゃない。近所の人や、ママ友、旦那くんだってそう。そして、子どもと親の信頼も同じだ。子どもが今どんな気持ちなのか、何をしたいのか、何をして欲しいのか。わたしは子どもとちゃんと対話ができていただろうか?急ぐあまり、顔も見ずに指示だけ出していなかっただろうか?


信頼は「対話」なしには積み上がらない。

かっこ悪いことなんてなにもない。困っていること、悩んでいることをどんどん話そうと思う。いつも本音で。その本音を対話で打ち返してくれる人こそ、信頼できる人だ。

さぁ、怖がらずに、いろんな人と対話をしよう。近所の人、学校の先生、ママ友、自分の親兄弟、そして旦那さんとこども。

できれば、美味しいコーヒーとドーナツを片手に。