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『しないことリスト』の呪いって?

ネットでこんな投稿を見かけませんか?

『○○のために「しないこと」を10個書いてみた』
みたいな記事。

たいていの場合、書かれている内容はごもっとも。
ちゃんと考えられています。

でもね――

残念ながら(はっきり言っちゃいますが)そのリストに書きだした「○○しない」は絶対に守れません。

なぜなら脳は、否定形を理解できないから。

「○○しない」という言葉は、まず前提に「○○する」が脳内に存在しなくてはいけません。

「○○しないこと!」
「○○するな!」


そう命じるとき、わたしたちの脳の中ではこんなことが起きています。

○○という存在を認めながら、同時に、それを否定する、という、とても矛盾したことを脳にさせているんです。

「ない」というのは、つねに「ある」から発生します。

最初から「ない」ものは認識すらできません (;'∀')

知らないことは知らないんです。
その人の頭の中では存在していない。

でも何かを「しない」ためには、その何かを知っていなければならない。
その存在を認識していなければならない。

だから、「○○するな!」と命じたとき、脳はまず、その「○○」を強く意識してしまうわけです。

否定したいはずのことが逆に、強く肯定されてしまう。

そんなことが脳内で起きているんですよ。

たとえば子供に「嘘をついてはいけません」と教えたとしましょう。

もしその子供が「嘘をつく」ことを知らなかったら?
この言葉によって逆に、「嘘をつく」という行為があることを覚えてしまうわけです。

やるなと言われると、やりたくなるのよ!
とよく言いますよね。

実際、そうでしょ?
ダメと言われることほど、やってみたくなる(笑)

この心理が生まれる理由、もうおわかりですね?

そうなんです。
ダメと言われるそのことに、脳がフォーカスしてしまうからです。

つまりダイエット中の人に対して、目の前においしそうなケーキを差し出しながら「ケーキは絶対食べちゃダメ!」と言っているようなもの(笑)

そこにケーキがなければ食べたいと思わなかったかもしれないのにね。

「~するな」
「~はダメ」

という言葉はつまりは自分自身への呪い。
ネガティブ呪文です。

苦しみを増やしているようなものです。
前向きな行動の原動力にはなりません。

進むべきじゃない方向に片手を引っ張りながら、同時に押し返している。
そんな状態を作っているだけです。

これじゃ疲れますよね (-_-;)
その上、自分の決めたことを結局守れないのだから、自己否定・自己嫌悪に陥ります。

どこをとっても、いいことなしです。
ダメダメです。

旧約聖書に出てくるモーゼの十戒はご存じでしょうか。

なんとなく聞いたことあるとは思いますが。
まさに世界的に超有名な「やってはいけないこと10か条」です。

おおよそ今から3000年前ぐらいに(諸説あるようですが)記されたものだそうですが、現代にも通じる普遍的な内容です。

たとえば───

殺してはならない
盗んではならない
隣人の妻を欲してはならない
隣人の財産を欲してはならない

至極ごもっともな戒め事ですね。

でもこれ、守られています?

十戒は神様との契約なのだそうです。
約束を破ると呪われる(罰が当たる?)そうです。

そんな怖い約束事なのに、やっぱり守れない人が大勢いますよね。

もしもモーゼさんが脳科学を知っていたら?
きっと違った文言を考えついて、世の中は彼が想い描いたような世界になっていたのかもしれません。

そうは言っても「○○してはいけない」と言うべきこともあります。
では、そんな時にどうすればいいのか?

代わりに「するべきこと」を示せば、脳を混乱させずに済みそうです。
例えば、こんな感じに。

ケンカして頭にきたからと言って、人を殴ってはいけない。
深呼吸して怒りをやり過ごしてから、問題点を話し合おう。

これは優等生的で模範解答すぎるかもですけど (^^ゞ
その辺は自分なりに工夫して、対処法を考えていくのが一番かなと思います。

つまりは、しないコトによって、自分は「どうなりたい」「どうでありたい」のかをハッキリとイメージしておけばOKということですね。

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