久しぶりのレコードの音色に酔いしれる
次男の部屋にレコードプレイヤーがやってきた。
世の中ではレコードが復権してきているんだとか。
アメリカでは、新作を発表するときにVinyl(英語ではレコードをこう呼ぶそう)も発売するアーティストが増えているんだそうだ(息子談)。
聞けば長男も大学近くでシェアして住んでいる部屋にレコードプレイヤーを持っているそう。
ハワイ生まれハワイ育ちで、ふだんは私に言わせれば「洋楽」を主に聴いている次男が初めて買ったレコード盤は、藤井風のファーストアルバム。
私がラジオで耳にしてから気に入って聴いていたところ、横で聴いていた次男がどハマりして、限定盤をわざわざ日本から取り寄せたものだ。
このアルバムのレコードを買うことを先に決め、それからプレイヤーやスピーカーをオーダーし、いよいよ全部がそろって初めてレコードをかけてみる日が来た。
…驚いた。レコードって、こんなにいい音がするんだ。
声がかすれていくところまで、ディテールがきちんと聞こえてくる。
音響にはこれっぽっちの知識のない私にも、ライブ感というかなんというか、とにかく音が違うことがよくわかった。
私が子どものころ初めて買ったのはレコード盤だった。
その後CDが出回るようになって、その小ささと針がなくても音が出る便利さに感動。
音質に特にこだわりがなかったし、世の中の流れがそうだったので、CDプレーヤーで音楽を聴くようになり、持っていたレコード盤はどこへ行ってしまったのか記憶にもない。
今ではiPhoneをBluetoothでスピーカーに繋いで、レコードもCDも持っていなくてもサブスクリプションでいろんな音楽が聴ける時代。
それでも音楽好きな人たちは、大きなプレーヤーがなければ聞けず、メンテナンスも必要なレコードに回帰している。
古くても、不便でも、やっぱりいいものは受け入れられるんだなあ。
久しぶりにくるくると回るレコード盤を見て、いい音色に酔いしれながら、そんなことを思った。
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