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あなたの煌びやかな熱量スイッチを入れるお手伝いをさせてください

ある交流会で知り合った男性と先日、ランチ&お茶をした。話の流れで「木村さんはいま、何について勉強というか研究していますか?」という質問が飛んできた。

「うーーーーん」と、アイスコーヒーを飲みながら、しばし考え込んでしまった。本は紙・電子問わず読めるときに読んでいるし、本を読むよりも自分の知らない世界を知っている人の話を聞くほうが本を読むよりも体温があって、勉強になる。

考えた末、「今と言うより、人生を通して研究しているのは『この話は、この言葉は伝わっているか』ですかね」と返した。男性から「え、どういうことですか?」と質問されたので、思っていることを話した。

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放送作家になりたての頃、先輩から教わったことのひとつに「テレビは最初の3秒で『面白そう』と思わせないとチャンネルを変えられてしまう。ディレクターの編集した映像が3秒で面白そうと思われうかを意識しながらプレビュー映像を見なさい」があった。

余談として、昔はそこまででもなかった。テレビにリモコンがなく、テレビについていたダイヤルを回さないとチャンネルが変えられなかった。そのため、そんなに面白くなくても、チャンネルを変えるのが面倒くさいからそのまま家族みんなでテレビを見ていた。これがリモコンの登場により、「ザッピング」という言葉が生まれ、テレビマンの意識が大きく変わった。

事例として、ヤフトピの話をした。Yahoo!トピックス。

見出しの文字数。現在は15.5文字だが、テレビ報道でネットニュースの編集をしていた頃は13.5文字。この字数は「読む」でく「見て」文字が理解できる最大字数として、ヤフーが長年設定していた。

見出しは、テレビでいうところの「つかみ映像」にあたる。限られた字数で見出しをひねり出し、PVにつなげようとしていた。

テレビの映像よりもシビアなのはネットコンテンツだ。テレビは3秒と言われていたけど、テレビ局に講義に来てもらったネットコンテンツ制作会社は「0.5秒」と言っていた。

ツイッターやフェイスブックのタイムラインは、とんでもないスピードで指スライドされている。その中で「おっ!?」と手を止めてもらえないと、勝負できない。可愛い女の子がタイムラインに流れてきたら「おっ!?」と手を止めるでしょ。それと一緒。

カタカナ言葉を連発するビジネスパーソンはだいぶ残念。職場の共通言語として使う分には、時間短縮・生産性向上・なんか自分イケてる感の創出になるので良いんだけど、それ以外の場所で使うのは残念な言葉になる。僕の前でアルムナイって言葉を使うな。OBとか卒業生とか退職者って言って。

伝えた先に人の心が動くかも大切。ジャパネットたかたの創業者・高田明氏がテレビショッピングでビデオカメラを売るプレゼンをした話が好きだ。ビデオカメラのプレゼンで上記のエピソードを入れ込み、爆発的に売った。

この話を知ったとき、数年前に初めて見た両親の結婚式の写真を見て感動したのを思い出した。

放送作家で小説家の百田尚樹氏は小説の書き出しに最も力をいれているという。

あれはたしか終戦直前だった。
正確な日付は覚えていない。
しかし、あのゼロだけは忘れない。
悪魔のようなゼロだった。

小説・永遠の0より

冒頭から興味をひいてもらえないと、続きは読んでもらえない。完全にテレビマンの発想で、事例のひとつにしている。しかし、「悪魔のようなゼロ」ってすごい表現。心が震える。

日本人の何割かは、読解力がかなり低い。長文をまともに読めない人がいる。武井壮さんがツイッターの長文投稿に力を入れ始めたとき、「長文だと読めないのでやめてくれ」というリプが飛んできて、面倒くさいからブロックしたという話を聞いて、本当にいるんだなと実感した。

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家に帰って、本棚にどんなジャンルの本があるか、整理がてらに見返してみた。広報PRの本、文章術・日本語に関する本が多い。

自分の話で、自分の文章で、人の心を動かせているか。良い方向に動いてくれたら至極うれしい。それを磨くためには、自分自身が情熱的でなければならない。

情熱なきテクニックには意味がない

商品を紹介する中で「その商品をどんなふうに使えば、生活がどのように楽しくなるのか、豊かになるのか」「この商品によって生活はどう変わるか」といったことが具体的に表現できたとき、番組は「楽しい」「面白い」と感じていただける、ということでした。

今は、モノをモノとして売ろうとしてもなかなか売れません。でもハード(商品)の価値は、ソフト(使い方)を提案することで、どんどん上がっていきます。だから、モノを売る私たちは、その商品が、どんな人が、どんな生活シーンで使うことでより輝くのか、より需要を掘り起こせるのかということを、常に想像し考えてきました。商品を飽くことなく研究し想像を巡らせる。それができたとき、面白く伝えることができました。

伝わるために、最も大切なのは、実はパッションであり、情熱です。強い想いがあれば、それは、身体から発せられます。しゃべりの上手い下手に関係なく、テレビショッピングならば、「この商品の魅力を伝えたい」という想いが伝われば、売上が確実に上がります。

「強い想い」を持つこととともに、ここまで述べてきた私なり伝えるコミュニケーションのノウハウ、7つの極意が、皆さんの伝える力を高める参考になればうれしく思います。

東洋経済オンラインより

ジャパネット創業者の高田明氏の言葉。本当にその通りだと思う。

しかし、世間を見渡してみると、なんか冷めている人が多い。熱意というか人生を生きる熱量が低くみえる。街中を歩いていると、老若男女問わず、熱量が低そうな人が見受けられる。

目が違う。死んだ魚の目のよう。際立つのが、この時期にまだマスクをしている人。99%の割合で熱量が低そうな人。生きているとより生かされている。満員電車、スーパーの割引総菜エリア、セルフレジががら空きなのに有人レジに並ぶ人たち。どうかしている。

どうすればこの人たちの心を動かし、着火モードにできるのか。ランチをご一緒した男性は仕事でメンタルをやられてしまい、療養した後、自分のような人たちを減らしたいという思いから起業し、組織×メンタルケアのビジネスを手がけている。穏やかな顔なのに目力がすごい方。

手前味噌だけど、僕の熱量は低くない。むしろ高いだろう。でも、高いとは思っていない。これが当たり前だと思っている。

情熱を持って生きるのはかっこ悪いのだろうか?せっかくこの世に生を受けて生まれてきたのだから、情熱を持ってワクワクしながら生きていきたいじゃない。

熱量スイッチが入るのには、キッカケが必要なのだろう。それが人生の「瞬間絶望」なのかもしれないし、「瞬間幸福」なのかもしれない。とにかく、ガツンと頭を殴られるような出来事がない限り、熱量スイッチは入らない。

この記事を読んだところで、あなたの熱量スイッチがすぐに入るとは思わない。でも、熱量を持ってワクワクしながら生きるほうが絶っっっっっっっ対に人生は楽しい。これは紛れもない事実なんだよ。

楽しく生きるためにしんどい思いもする。今は「しんどいなぁ。面倒くさいなぁ」と思いながらトレーニングジムに行く気持ちの割合が多い。でも、ここを乗り越えればきっと楽しくなるだろう。でも、8ヶ月で20キロ減量したときのように、最初はしんどいけど後から楽しくなるのがわかっているから、ジムに行く。

今回は自身の経験談をもとに熱量スイッチの話を書いている。次はどんなテーマがいいだろうか。熱量は伝播する。どんな形でもいい。熱量スイッチを入れるお手伝いを、私の文章や話でお伝えできればと思っている。


伝わったかぁ……




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