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人生で初めて「狂った裸踊り」をしてリーダーシップをとった男の話

先日開催したイベントが無事に終了しました。

見に来てくださった知り合いのツイートを引用

今回のイベントに関わってくださった全ての方、劇場に来てすべての皆様に、改めて御礼申し上げます。本当にありがとうございました。

このイベントを立ち上げたキッカケとなったのは、私自身が書いたコラムです。

ここできむ兄から、大好きな福岡のテレビマンの皆さんに提案です。東京のテレビマンに「やば、この福岡の番組面白いな」と言わせるような番組を作ってみませんか。

きむ兄が東京から移住してきて2年ちょっと、福岡のテレビを見ていて「お、これはなかなかのポテンシャルを秘めている」というタレントさんがいました。福岡よしもと所属のタレント・服部さやかさんです。

福岡のテレビマンの皆さんからは「え、服部が?」という声が上がってくるかもしれません。ところがどっこい、私は彼女の中継先での振る舞いや、ラジオパーソナリティとして喋るポテンシャルは、かなりのものだと思います。

服部さんがもっと自由奔放に活躍できるスタイルの番組が生まれたら、確率は決して高くありませんが、東京にさせるぶっとい槍が生まれるかもしれません。

フクリパより

これを書いたのは2023年の2月。でも、このコラムを書いたときはまだ舞台の構想はありませんでした。

実はこの後、福岡のあるテレビマンから「コラム見ました」と連絡を頂き、1つのプロジェクトが進みました。

「コラム見ました」と言われたときは「だいぶクソ生意気なコラムを書いてしまったから、絶対に怒られるな」と思いましたが、実際に服部ちゃんと3人で一緒に飲んだ後に「彼女は逸材ですね」と言ってくれたとき、「よし、服部応援団が1人増えた!もっと服部ちゃんの面白さを知ってくれる人を増やそう」と考えていました。

僕は服部ちゃんを「応援する」立場です。

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「服部ちゃんと仲谷さんのトークライブをやってみたいんです。力を貸していただけませんか」

舞台役者でもあり、劇団の座長でもあり、ラジオパーソナリティーでもある仲谷一志さんにこのお話を持ちかけたのは2023年3月頃でした。仕事でお世話になっていた仲谷さんは、服部ちゃんは面識があって共演もありました。

僕はたまたま、共演していた番組を聴いていて「あ、これめちゃくちゃ面白いやん」と、久々にゾクゾクする感覚を味わいました。アラサーの服部ちゃんがだいぶ年の離れた仲谷さんにガンガン食い込んで、失礼なコトを言う。仲谷さんはそれを怒ることなく笑いながら上手に受け止め、話をさらに盛り上げていく。

福岡では見られない掛け合いで、まるで笑福亭鶴瓶師匠と松嶋尚美さんのトーク番組「きらきらアフロ」を聞いているかのようでした。

「仲谷さんなら、服部ちゃんを応援してくるかもしれない」

僕はフクリパのコラムでこんなことも書きました。

福岡のテレビ番組を見ていると、前に出てぐわっと爪痕を残す女性タレントが少ないなと。これはひょっとして九州・福岡の「女性が一歩引いて」という文化がテレビの中にも存在していて、知らず知らずのうちに女性が前面に出るのを避けている風潮があるのでは、きむ兄は思考を巡らせました。

そもそもなぜ、トークライブをやりたいのかをコラムの内容になぞらえて仲谷さんに説明し、仲谷さん代表理事を務める組合が管理する劇場の仮押さえしてもらいました。

日程は2023年7月2日。

その後、服部ちゃんに「イベントやってみない?」と打診し、「やってみます!」と意思確認をした上で、マネージャーさんに日程を押さえてもらいました。開催に向けて動き出しました。

このとき、自分が置かれた立場を、僕はまだきちんと把握していませんでした。

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イベントは盛況でした。チケットも完売御礼となり、急ごしらえで作ったイベントグッズも完売。

終演後のアンケートも「尖りすぎて最高!」「2回目のぜひお願いします」と大好評でした。事前の下調べができなかったという私の友人も「ファンになりました。ラジオ聴いてみます!」と連絡をくれて、2人の凄さを実感しました。

福岡県外からイベントを見るためにやってきたお客さまもいました。服部ちゃんがアイドルデビューした10年以上前からのファンも来てくれました。

僕が頭の中で思い描いた以上の盛り上がりとなりました。私の友人2人にもスタッフをお手伝いしてもらい、服部ちゃんの番組のディレクターさんにも最高の音源をご提供いただき、仲谷さんの劇団のスタッフさんにも演出面でサポートしていだき、気づけば多くの方々にイベントを支えていただきました。

劇場に「服部応援団」が生まれていました。

公演後の打ち上げ。仲谷さんに促され、乾杯の挨拶をすることになった時です。

服部ちゃんが、仲谷さんが、スタッフをしてくれた友人が、劇団のスタッフさんが、一斉に僕を見ています。

この瞬間、僕は気づきました。

「あ、僕は応援される立場になっていたんだ」

僕はこれまでの人生で応援する立場が圧倒的でした。何かに挑戦する人たちを全肯定した上で、自分がすごいと思った人を応援する。

放送作家の頃は担当番組にネタとして持ち込み、ディレクターに取材をしていただく、ライターとしては自分が執筆させていただくメディアに企画を持ち込んで、取材して記事にする。私の記事を通じて挑戦する人たちの取り組みが広がってくれればという思いで執筆しています。

この動画をご存じでしょうか。

僕はフォロワーとしての能力は極めて高いです。この動画だと、裸で踊るをリーダーを見つけて最初のフォロワーになる。リーダーと対等な立場で踊る人。

伝え手として発信しているときは、ずっとフォロワーであり続けました。自分が前に出る必要はありません。

でも、今回のイベントに関しては、僕が最初に言い出したこと。つまり、裸で踊り始めたのが僕なんです。

仲谷さんに最初にこの話を打診して、「力を貸しましょう」といった瞬間に、仲谷さんは僕のフォロワーになってくれた。「イベント手伝うよ」と言ってくれた友人たちも、演出面をサポートしてくれた劇団のみなさんも、協力してくださったラジオ局の方々も、そして何より服部ちゃんもフォロワーだったわけです。

服部ちゃんと舞台の演出を決める打ち合わせをしていたとき、服部ちゃんに言われた一言がいまも印象に残っています。

「これは私にとっても挑戦だけど、木村さんにとっても挑戦なんだからね」

以前書いた「不安ゲロリズム論」で気持ちを吐露していましたが、チケットが完売御礼となり、劇場に次々とやってくるお客さんを見て、舞台が始まって段取りを間違えた服部ちゃんがアドリブで笑いをかっさらったのを、劇以上の一番後で見て、不安はなくなりました。

打ち上げをみなさんの顔を見て、「あ、僕はおそらく人生で初めてリーダーシップを取ったんだ」と気づいた。だから、乾杯の挨拶で何を言ってよいのかわからず、グダグダな挨拶になってしまった。

リーダーシップに慣れていなかったんですね。ずっとフォロワータイプでやってきたので、自分が真ん中に立ったり先頭に立ったりして誰かを巻き込むことは殆ど経験がありませんでした。

動画の中でプレゼンをしている社会起業家のデレク・シヴァーズは、このように述べています。

最初のフォロワーの存在が、1人のバカをリーダーに変えるのです。

TEDより

一方でこんなことも述べています。

でも、大きな教訓があります。最大の教訓はリーダシップが過大評価されているということです。確かにあの裸の男が最初でした。彼には功績があります。でも、1人の男をリーダーに変えたのは最初のフォロワーだったのです。

TEDより

そうです。木村という1人のバカのリーダーのやることに賛同してくれたフォロワー、今回のイベントではあの劇場にいた全ての皆さんがフォロワーです。

何かに挑戦しようと、迷っている人。
何かに挑戦したいけど、不安を抱えている人。

まずは踊ってみてください。狂ったように踊ってみてください。最初のフォロワーが現れます。そうすれば次のフォロワーが現れます。

狂ったように踊り続けることこそが、あなたの挑戦を成功に導くはずです。



フォロワーを見つけた方も、一緒に踊り狂いましょう。
徳島の阿波踊りには、こんな歌い出しがありますよね。

踊る阿呆に見る阿呆
同じ阿呆あほなら踊らにゃ損々




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