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ウクライナ情勢: アメリカ・NATOによる対露抑止力の増強について-03

ウクライナ情勢に関しアメリカ政府国防省(ペンタゴン)はワシントン時間24日、アメリカ本土から8,500人規模のアメリカ軍部隊をNATO多国籍軍の初期投入戦力である即応部隊(NATO Response Forcce、略称NRF)へ戦闘配備する準備に入ったことを明らかにした。同日午後バイデン大統領がヨーロッパ同盟国首脳とテレビ会議を行い、すでに調整を行った模様だ。

ペンタゴンによると、NRFはNATO各国から派遣される部隊を全て合計すると、最大40,000人規模までの編成が可能で、また、状況がさらに深刻化した場合は、追加でアメリカ軍戦闘部隊、輸送部隊、医療部隊、偵察部隊を派遣することも視野に入れている模様だ。実際の配備は、NATOからの発令待ちで、決定後5〜10日以内で配備可能なように準備を進めるものと見られる。

これに先立ちブリュッセルのNATO本部はヨーロッパ時間24日午前、ウクライナ周辺へのロシア軍の展開に対する対抗策として、バルト海沿岸地域及び旧東欧地域への抑止力の追加展開について発表している。この中で対露抑止力として、デンマーク、スペイン、フランス、オランダがすでにNATO軍への陸海空軍の展開準備を表明しているが、現時点ですでロシア軍の展開規模が極めて大きく、NRFを初動対処部隊として同地域へ先行配置することで即時に有効な対露抑止力を構築することを狙ったものと見られる。

Text written by Kimihiko Adachi)

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