気持ち
私は目の前の人の気持ちを自分に置き換えて、考えて、時々共感する。時には涙が出るほど気持ちを持っていかれることもある。時には理解できないと冷たく対応することもある。だから、人間が数多くいると皆がどのような気持ちでどのように共感するのかがわからなくて、みんなと同じ反応もできずに浮いてしまうことが何度もあった。
この前の子ども達の春休みの時の出来事。
昨年の夏休みぶりに子どもたちは祖父母(旦那側)の家に泊まりに行った。旦那は仕事でそういう日に限って残業をしなければならない状況で、私は一人寂しく旦那が家に帰るまで待っていた。子ども達のお迎えは次の日の夕方だったので、その時間まで久々の夫婦だけの時間となった。
とはいえ、旦那の実家までの移動時間を考えると旦那と過ごす時間はあまり無かった。映画を観ようと思ったがベストな上映時間が無く、物欲も無かったのでショッピングに行く気持ちも起こらなかった。やることが無いと思っていたていたが、近所にある人気のラーメン屋さんに私が行ったことが無かったのでそこでランチをすることにした。子どもたちがいると狭いラーメン屋さんでは食べづらい。それから、旦那は一人で何度も行っており「ここはとても美味しい」と絶賛していたので、二人で歩きながら開店前の近所のラーメン屋へ向かった。
ラーメン屋さんの感想は「本当に美味しい!!」。
もっと早くこのラーメン屋さんに行けば良かったと思えるほど、近所のラーメン屋さんが美味しかった。平日も土日祝も必ず長蛇の列になるラーメン屋なのだ。
ラーメンを食べ終え、二人仲良く歩いて家に帰って行った。
そして車に乗り込み旦那の実家へ向かう。
旦那がふと呟く。
「二人になってもいつもと変わらなかったね」
私には理解できなかった。
私自身、いつもどおりに過ごして、いつもどおりお互いの趣味や子どもの話をしていただけだった。
理由を尋ねると
「いつもは子どもたちが会話の間に入ってくるから、その子どもがいないと距離感がわからなくて、気まずい雰囲気になるのかと思った。
でも、そんなことなかったね」
だそうな。
私はそんな心配をしていたことに驚いた。
なんで「♡」はスキという表現になったのだろう。