コーヒーとミルクチョコ

コーヒーはブラックで、

と頼みたいけど、僕の味覚はお子様で、

砂糖2個にミルクがないと飲めなくて、

「そこまでして飲まなくてもよくない?」

って君に笑われたけど、

「僕はこれが好き」

と譲れなかった。

逆に君は甘いものが苦手で、

疲れた時には甘いものって渡したミルクチョコも、手を突き出して断られた。

当然君はコーヒーはブラック派。

苦いなんて顔をしかめることなく、飲む姿に憧れもしたけど、

行き場をなくしたチョコだけが所在なげに僕を見上げてた。

ある時君は珍しく、

コーヒーに砂糖2個とミルクを入れた。

口に運んで一言、甘い、そう呟いた。

ガシャン

僕の心が割れる音。

「無理してつきあってても楽しくないもんね。別れようか」

君が僕に言わせたかったこと。

僕はまんまとそれにのったわけで。

「元気でね」

って君は振り返ることなく去っていく。

残された僕はいつものように

コーヒーに砂糖2個とミルクを入れる。

ほっとする甘さが僕を癒してくれた。

甘いコーヒー、甘いチョコが大好きな僕は、自分がとても、甘かった。

#甘い言の葉 「コーヒーとミルクチョコ」

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