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「貧乏ゆすりと言わないで」3.検査


検査の日が来た。
病院の地下にある放射線科でダットスキャンの検査を受けることになっていた。いつもの診療科とは違う仄暗い場所。こんな所がこの病院にもあったんだ。そう思っていると名前が呼ばれ担当の医師が現れた。

なんだか風貌がちょっと違う。髪が長くぼさぼさで、風来坊のような雰囲気。この人が検査するの?にわかに不安を感じた喜美だった。
その医師がこう告げた。
「これからダットスキャンの検査をします。注射の消毒でかぶれたことはないですか。アレルギーなどはないですか。」
       
ひと通り説明が終わると腕から検査薬が静脈注射され腕の血管の中を小動物が血相を変えて恐ろしいスピードで走り抜けるかのように頭の血管まで薬剤がまわって行った。

これは初めての感覚だった。なんだか怖い。その後すぐに撮影。脳のMRIが初めてで二度とやりたくないと思ったが、ここから先、何度もMRIの検査を受けることになるとは喜美自身も思っていなかった。


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