"PROJECT IM@S 2nd VISION"を振り返る⑬ MOIW2023

今回はコロナ禍を経て、歓声の中迎えられたMOIW2023の開催までを振り返る。


「なんどでも笑おう」で繋いだライブ

コロナ禍による開催中止、無観客が続いていたこの時期。2021年3月、SideMのプロミとシャニマス2ndライブでおよそ1年ぶりとなる有観客ライブが実現した。これまで当たり前のように存在したコールや歓声のない現場にもどかしさを感じつつ、それでも現地に勝る感動はないとコロナ禍を通して改めて感じさせた。

"前代未聞"の初披露

2021年4月、シャニマスの3rdツアーの名古屋公演、東京公演は機材トラブルや急遽の無観客開催などのアクシデントに見舞われたが、なんとか無事に最後までやり遂げた。一方、ミリオンの7thライブはアイマス初の野外ステージ。天候が不安視された中こちらも無事に開催することができた。
公演はキャンプをテーマにしており、「空に手が触れる場所」や「夜に輝く星座のように」など、野外ライブにうってつけの曲も多数披露された。

そんな中、いつものようにアンコールを迎えた…のだが、あの特殊イントロが流れ歓声禁止のはずの会場もどよめいた。有観客の「なんどでも笑おう」初披露は、合同イベントではなくミリオンの単独ライブとなったのである。
その後、シャニマス3rd福岡、シンデレラ10th千葉、年が明けSideM6th東京と歌い継がれた同曲は、765ASの単独ライブでの披露を残すのみとなった。

合同イベントの開催

2021年は合同イベントも開催され、7月にはBiliBiliのイベント、10月にはスタマスの配信限定イベントで各ブランド合同での歌唱が実現した。
そして、2022年には3年ぶりとなる「バンナムフェス2nd」が開催。Day1はスタマスのユニット「プロジェクトルミナス」として、Day2はSideMも含めた「FIVE STARS!!!!!」として合同ユニットで出演した。
特にDay2は「なんどでも笑おう」や今はなきポプマスの楽曲が披露された他、錦織監督がMVを手掛けた「VOY@GER」も初披露となった。

当時はまだ合同ライブの開催は予告されていなかったが、バンナムフェス2ndを経て、より期待の声は膨らんでいったように感じた。

15周年の忘れ物

2nd VISIONを振り返る最後のトピックは、4年半ぶりの765AS単独ライブの開催、そして7年半ぶりの開催となったMOIWである。15周年にやり残した2つを、2nd VISIONの集大成として成し遂げた。最後はこの2つを振り返っていこう。

"4年半ぶり"の悲願

前回の765AS単独ライブは2018年1月の「初星宴舞」。これもMOIW2015から2年半、9thから見れば約3年ぶりとなる単独公演だった。本来は2020年8月に開催が予定されていたNEXT LIVEも、コロナ禍の煽りを受け無念の中止。次はいつかと待ち焦がれる中、2022年7月に「SUNRICH COLORFUL」としてようやく実現することとなった。

過去の765AS単独でもミリオンの楽曲が披露された中、今回はなんと純然たる765ASオンリーでセトリが展開された。最新のMA4楽曲の他、「目が逢う瞬間」など古き良き楽曲も多く披露され、文字通りの温故知新といったライブが出来上がった。
Day1のアンコールで披露された「なんどでも笑おう」をもって、同曲の5ブランド単独ライブでの披露が達成、そして何よりDay2の「M@STERPIECE」がこのライブの全てといっても過言ではない。声出し禁止のはずのライブであそこまでの大歓声を呼んだ瞬間は、20年近いアイマスの歴史の中で指折りの名シーンと呼んで良いだろう。

2nd VISION の集大成

SUNRICH COLORFULが終わって間もない周年生配信で、遂に5ブランドの合同ライブの開催が発表された。場所がなんと「東京ドーム」。バンナムフェス1stが開催された会場で、中村さんが"取っておいた"一言を発せるチャンスが来たのである。

2015年は765AS、シンデレラ、ミリオンの3ブランドで実現した合同ライブが、今度はSideM、シャニマスも交えて5ブランドが一同に揃うライブが実現した。
比較対象が2014、2015年のMOIWなだけに期待されるハードルは非常に高いものであったが、蓋を開ければ「5ブランド版ハッチポッチ」と言わんばかりのごった煮であった。初出演のSideMやシャニマスも他ブランドとシームレスに繋がり、さらには961プロの登場に日高愛の楽曲「ALIVE」も披露されるなど総力戦で合同ライブを盛り上げた。2nd VISION一発目のディアリースターズから選曲があったのは見事である。3.0 VISIONではディアリースターズ3人が揃うライブが実現することを期待したい。
そして、本ライブからコロナ以降初となる声出しが解禁となった。初手の歌マスから割れんばかりの歓声に包まれ、3年目で初の声出しライブとなったノクチルなどにも遂に歓声を届けることができた。

最後には本公演のテーマソング「CRYST@LOUD」で5ブランドがともに歌い、Day1には前回の合同ライブより「アイ MUST GO!」、そしてDay2には「M@STERPIECE」が披露された。「アイ MUST GO!」はSideM、シャニマスも交えての披露、「M@STERPIECE」はそれだけではなく、当時ムビマス組で唯一歌唱経験がなかった大関さんも初歌唱。この2曲は、2nd VISIONを締めくくるにこれ以上ない選曲といえるだろう。

おわりに

2nd VISION最後の1年間は、消化不良で終わった15周年を取り戻すが如く怒涛の展開が成された期間でもあった。今回触れなかったが、アイマス初のオーケストラコンサートもその1つである。
MOIW2023では「なんどでも笑おう」「VOY@GER」などの合同曲は披露されなかった。披露は確実という予想も多かったが、FIVE STARS!!!!!としての展開はここで終わりにはしない、3.0 VISIONでも引き続き合同展開を続けていく、という"決意の未披露"だったのかもしれない。そんな高尚なこと考えてないと思うが、そういうことにしておこう。
色々あった2nd VISIONも、MOIW2023の終演を以て終わりを告げた。初めは765プロの物語に留まっていた2nd VISIONも、紆余曲折ありながら今は5ブランドにまで増加した。本当に色々なことがあった14年間だったが、終わり良ければ全て良しといったもので、まさに大団円の結末となった。
次回は2nd VISIONの総括と、3.0 VISIONの展望を述べ、本シリーズを締めたいと思う。

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