"PROJECT IM@S 2nd VISION"を振り返る⑫ コロナ禍で迎えた15周年

前回までに5ブランドが揃い、いよいよ始まった15周年イヤー。期待も多かった合同展開はどのような形で進められていたのか、来る20周年へ向けて振り返ってみたい。


5ブランドの合同展開

過去、3ブランドが揃ったMOIW2015こそあれど、以降のアイマスは合同展開はそう多くはなかった。7月と年末の配信に各ブランドが集まるなどはあったが、やはりかねてから期待されていたのは合同ライブ、即ち次期MOIWの開催であろう。合同ライブ開催への期待が高まる中、2019年10月、バンナム系IPが集結する「バンナムフェス」が開催されるのであった。

バンナムフェスの開催

15周年を前にして、まさかこのようなイベントが開催されるとは…と驚いた。アイドルマスターシリーズ初の東京ドームでのステージに留まらず、5ブランド+ゼノグラシアが出演と過去例を見ない豪華な布陣であった。
Day1からは西川貴教さんと仲村宗悟さんの「DRAMATIC NONFICTION」、Day2からは桃井はるこさん作詞作曲の「バレンタイン」、ゼノグラシアとして出演した結城アイラさん作詞の「FairyTaleじゃいられない」がそれぞれ披露された。
後に開催される2ndでは配信があったものの、当時は配信もライブビューイングもなく、生で見られたのは現地のみ。他IPのパフォーマンスも含め、非常に貴重なライブイベントだった。

「スタマス」の発売

15周年企画はライブ、音楽面に留まらず、ゲームでも15周年を盛り上げた。
4年ぶりの家庭用新作「スターリットシーズン」は、4ブランドから選抜されたアイドルたちががプロジェクトルミナスとして活動していく物語である。

発表当初の世論は決して良いものでは無かったが、これまで2Dモデルしか無かったシャニマスアイドルの3D化や、ブランドの垣根を超えた楽曲が多く配信されるなど実績は十分である。
765AS全員での「なんどでも笑おう」や、後にシンデレラ単独ライブのcgよまつりで初披露された合同曲「ダンス・ダンス・ダンス」など楽曲面でも評価が高い。
本作のキーとなるアイドル、奥空心白や961プロの新アイドル、亜夜を含めたDIAMANTの存在も大きく、クリア後には961プロのアイドル達も一部プレイアブル化するなど、ストーリーややりこみ要素も多い。
現時点ではスタマスの楽曲の多くがライブ未披露であるため、何らかの機会で「ルミナス」のライブが開催されることを期待したい。

コロナ禍とアイマス

2020年はアイマスのリアルイベントはほとんど開催できなかった。

長いトンネルのはじまり

国内でも新型コロナの感染が確認され始めた2月。シンデレラ7th大阪公演の開催も危ぶまれたが、無事に開催された。それ以降は徐々に雲行きが怪しくなり、2月末に開催予定だったMR ST@GE以降、数々のライブイベントが中止となった。

アイマスに限らず、全てのライブイベントが軒並み中止となる前代未聞の事態。数週間の辛抱だろう、と当初は思っていたがむしろ事態は悪化の一途を辿るばかりで、遂には765ASの単独ライブまで中止となった。2年半ぶりの単独を期待する声も大きかったが、結果的に次の単独ライブの開催はさらに2年延びることとなった。

コロナ禍だからこその取り組み

非常に苦しい期間だったが、ライブが開催できないからこそ、過去をじっくり振り返られた時期でもあった。5月のミリオン、7月のSideM、8月の765ASと、本来開催が予定されていたライブの日に、過去ライブを振り返る生配信が行われた。開催に勝るものはないとはいえ、このような形で過去を振り返るのは当時だからこそできた配信で、様々な貴重な話も聞けた。
特に8月の765ASの配信は、Day1で過去放送されたラジオの復活配信、Day2では滝田さんも交え765AS+が集結、最後の歌マスは非常に沁みた。
そんな中、面白い取り組みが見られたのはシンデレラの24時間生配信、24m@gicである。デレステとの連動企画やDJ、深夜帯の訳分からんおじさん達の配信など、これまでやってこなかったような企画が多く新鮮だった。〆にはミニライブの開催など盛り沢山の中、全編無料で視聴できたのは凄いと思う。

そして、秋に開催されたシャニマスの「MUSIC DAWN」も特筆すべきだろう。このライブはアイマス初の配信限定ライブ、ドローンを駆使した新鮮な演出など、配信でも臨場感が伝わる工夫が多く見られた。
キャスト陣でもノクチルの初舞台となり、特にDay2は3人での舞台となったが、Day1と遜色ないパフォーマンスに感動を呼んだ。

半年に渡って何も出来ない期間が続いた中で、シャニマス以外でもこのようなイベントが開催できるという期待が持てた。MUSIC DAWNの名の通り、まさにアイマスの夜明けである。

おわりに

年が明け2021年。3月にはSideMのプロミ、4月にはシャニマス3rdツアー開幕と徐々に有観客でもライブが開催できるようになった。非常に辛い時期ではあったが、配信でもライブを楽しめるようになるなど、いつでもどこでもライブを楽しめるようになったのはコロナ禍における怪我の功名と言えよう。
ゲームでは今回取り上げなかったが、ポプマスもこの時期に配信開始された。短期のサービス終了は残念ではあるが、他ブランドのアイドル達を知る一助にはなったのではと思う。
次回は本編の最終回、コロナ禍を乗り越えたMOIW2023までを振り返っていく。

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