爽やかな酸、滑らかな酸、軽やかな酸、ってどう違うの?酸味のテイスティングコメントまとめてみました!
テイスティングコメントについて勉強していこうと思います!
今回のテーマは「酸味」
参考文献は「ソムリエ・ワインエキスパート教本」「ASI Sommelier Guidelines 2024」「ワインテイスティングバイブル」「ブラインドテイスティングの教科書」、ワインショップのインポータコメント等
リンゴ酸・酒石酸主体の酸の表現
★爽やかな
★生き生きとした
★はつらつとした
★クリスプな
[リンゴ酸について]
ブドウに元来含まれる酸の一つのリンゴ酸。特に冷涼な地域の、未熟さのある (若い) ブドウを用いていると考えられる。フレッシュで爽やかな、柑橘類を連想するような酸を指す。
[酒石酸について]
温暖な地域ではリンゴ酸が抑えられ、相対的に酒石酸が目立ってくる。または、酸が少ないときに酸を足す「補酸」として酒石酸が使われることが多い。酒石酸はリンゴ酸に比較すると、酸味の中に塩や苦みを感じる。
上記いずれの表現も中程度~中程度+の酸味を表すことが多い
「爽やかな」は若々しさを表すときには特に万能な表現で、テイスティングコメントでも汎用されている印象。リースリングやソーヴィニヨンブランでよく見る表現。
ただし、必ずしもこれらの言葉が中程度の酸味を意味するわけではなく、
強弱を表す言葉を別で付け加えて表現することもある。
例:dominant and crisp acidity (支配的でクリスプな酸味)→強い酸味を表現 ※ASI sommelier guidelinesより例文引用
乳酸主体の酸の表現
★滑らかな
★丸みのある
★しなやかな
[乳酸について]
マロラクティック発酵によって、リンゴ酸は柔らかな乳酸に変化する。
リンゴ酸よりも酸味が穏やか。いわゆるヨーグルトの酸。
マロラクティック発酵を行うと酸の総量は下がるため、
上記の表現はいずれも少なめ~中程度の酸を表すことが多い。
樽熟成したブルゴーニュシャルドネなどに使われる表現。
酸が強いときの表現
★堅固な
★直線的な
いくつかワインショップのコメントを見たところ、特にミネラルが高いときに合わせて使用されることが多いみたい。
例:骨格のある直線的な酸味
グリューナー・フェルトリーナーに対するコメント等で使われていた。
※ソムリエ・ワインエキスパート二次試験ではこれらは基本的に選ばない表現のため注意(そのようなワインが出題される可能性が低い)
酸が少ないときの表現
★軽やかな
★優しい
赤・白問わず使われる表現。単純に酸が少ないもの。
まとめ!まずはこれだけ覚える3つ
ソムリエ・ワインエキスパート二次試験のことだけを考えるならば、
フレッシュで中程度~中程度+くらいの酸があるときは「爽やかな」
マロラクティック発酵のニュアンス (ヨーグルトの酸) があれば「滑らかな」
酸が単純に少なく、マロラクティック発酵のヨーグルトが掴めない場合は「軽やかな」
を選んでおけばおおよそ間違いはないので、まずはこれらから使いこなしていきたい。
時間があるときに他の表現もまとめていきます🐈
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