読書感想1

2021年2月11日(木)読了

イノセント・デイズ 早見和真

新潮文庫 紅白本合戦 第四回 男性に売れた本 第1位 というのに目が惹かれて購入しました。

章によって主人公が変わっていったので、スラスラと読むことができました。話の中で過去と現在を行き来するのですが、それもわかりやすく表現されていて頭の中でイメージがしやすかったです。特にほかの人からはよく思われていたい人や今にも消えてしまいたい人にぜひ呼んでいただきたいなと思いました。自分の環境と本の世界は全く違いますが、自分が感じたことのある人に合わせてしまう人間の心情やストレスを良い方向で発散できない人の心情が繊細に表現されていて、自分の物語かと思い自然と泣いてしまいました。きっとみんな登場人物の誰か1人に当てはまる気がします。その人の全てに当てはまらなくても、一部のシーンの感情は共感できるなど共感できる部分があると思います。

もしも私の中で作り上げた田中幸乃に会えるのであれば抱きしめてあげたいです。何度も強く田中幸乃が「もういい」というまで、頭を撫でて、抱きしめながら「大丈夫だよ」と言ってあげたいです。でも田中幸乃の顔はイメージすることはできませんでした。幸が薄い顔をしているのかな?とか目は切れ長だろうなとかの想像はできるのですが、全体像は想像できませんでした。表紙のイラストが誰もいない裁判所の証言台に立っている女性が顔を覆っているのですが、私には田中幸乃には見えません。もっと体が細いのではないかな?と思います。でもこの表紙以外にいい物が思いつくわけでもありません。

Amazonプライムで実写のドラマが配信されていました。興味のある方は是非見てみてください。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?