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Disneyトーク第1回 "プレショー" 2020.8.22

どーも。某大学生のきむです。
さて、僕はディズニー大好き芸人ということで(語弊?)、『ここが良いよねTDR』みたいな感じでしゃべっていこうと思います。

記念すべき第一回目は『TDRのプレショー』!!!!!!!!!!

いや、みなさんわかってくれると思うのですが、アトラクションのプレショーって楽しくないですか? まさにその世界にいる気になるというか。実はただのおしゃべりじゃなく伏線になってたりとかして、プレショーの良さがアトラクションの楽しさにかなり大きく寄与している気がします。

だというのに、今プレショーが密的な理由で無いらしいので、せっかくならプレショー面白いよねってのを書こうかなって感じで。

そうそう、注意なんですが、ここに書いてある内容は私が勝手に思っていること=私なりの解釈なので、当然非公式の内容ということでお願いしますね。
まぁ半分妄想みたいなものなんでね。信じるか信じないかはあなた次第です、なんて。

では早速。

目次はこちら↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓

プレショーとは?

まずは定義から始めていきたい。

ディズニーリゾートにはさまざまなアトラクションがあります。スターツアーズ、ビッグサンダー、カリブ、スモールワールドなどなど。

で、我々はそれに乗る(体験する)わけなんですが、一部のアトラクションではアトラクション本編の前に、簡単な『前説』が入るんですね。
ということでこの『前説』『プレショー』と言うことにします。

例えば、ミート・ミッキーとかは待ち列の途中に『ミッキーマウスの歴史』みたいなムービーが流れる場所があったり、ホーンテッドマンション、ソアリン、タワーオブテラーなんかは露骨に部屋区切って『プレショー』やってますね。

さて、プレショーを前説って解釈すると、読んで字のごとく『事前説明』ですから、アトラクションを説明しているわけですよね? 語りを入れていると。

でも、こういう『語る』スタイルの『プレショー』がなく、そのまま乗るようなアトラクションもあります。すると、そういうアトラクションはなんで説明が無いのか?という疑問が当然生じてきます。プレショーやらんのかいなと。

その辺を明らかにしていきましょう。

なぜプレショーがあったりなかったりなのか? プレショーはどういうもので、どんな意味があるのか? そもそもなぜプレショーをやるのか?
ということについて考えていきたいと思います。

プレショー分類:劇場型プレショー

というわけで、プレショーの本質を考えたいところですが、まずはさっき挙げた、タワーオブテラーみたいな露骨な語りが入っている『プレショー』を、仮に【劇場型】と名付けて、これについて見ていきましょう。

で、考えてみるとまず【劇場型】って、割と長尺ってことに気づきます。マジックランプシアターのベキート様然り、今は無きミッキーマウスレビュー然り。
すると、【劇場型】プレショーのあるアトラクションには共通点があると思いませんか? 自明な感じもしますが......

それは、アトラクションの回転が悪いってこと。

え、夢が無さすぎる!? まあまあ、大事なことですから。

アトラクションの回転率の悪さ-物理的要請-

さて、回転率の話をしていきます。

例えば、またもやタワーオブテラーを例に上げますと、あのアトラクションはフリーフォールのエレベーターに乗れるのが1台当たり確か22人でした。
1列7人×3列に、最後列の通路分で +1。で、これが全体で上下6台あって、交互に動くわけですが(同時に動けるのは3台)、まぁ1落下の時間では66人しかさばけないんですよね。あと1落下が割と長いし(安全ベルトつけたりとかで時間が余計にかかる)。

これは回転悪そうですね。フリーフォールっていう普通よりちょっときつめなのも理由ではありますけど。ただビッグサンダーとかカリブとかガンガン流してますからね。それに比べると......って感じ。

他にも、ソアリンやシーライダー含むシアター系アトラクションは、一回の収容人数は多いですが、ライドの台数が少なく、一回が長いので回転率はあんまりよくないですね。(シーライダーには別の理由もありそう)

じゃあホーンテッドマンションとかアストロブラスターはどうなんだ?シアター系じゃないし、ガンガン流してるだろ?って思う方もいるかもしれません。
ただ、あのタイプのアトラクションって、スピードが一定かつ、1台当たり2人乗り、さらに乗り場直前の待ち列が手狭なので、一気に人を入れられないんですよね。だからかなと。形式はタワーオブテラーに近いっちゃ近いかな。

ということで、回転が悪いと何が悪いか?
当然、ゲストを長く待たせることになります。

となってくると、暇なんですよ〜。長い待ち時間はね。なんならプレショーがある今でも、タワーオブテラーとかシーライダーとか屋内入る前、つまりプレショーまでの待ち時間はまぁまぁ長いしつらいです(生の声)

ゲストを楽しませるためのプレショー

だから、『ゲストを飽きさせない』、これは消極的な言い方なので言い換えると、『ゲストを楽しませる』ためにプレショーはあるんじゃないでしょうか。まずこれがプレショーの意義なのかなと。

じゃあ、物理的制約から『ゲストの飽き』が生まれるから、それを中和するためにプレショーがある?

って結論だと、じゃあ別に回転率関係なく、全部のアトラクションでプレショーやってくれって思いませんか?どのアトラクションもプレショーがあったほうが待つの楽しいだろって。
でも実際はプレショーが無いアトラクションも多いですよね。とくに回転率の良いスリル系のアトラクション。センターオブジアースやスプラッシュマウンテンなどは確かにまだ回転率が良いですから、『劇場型プレショー』は要らなさそうです。

でも、実際待ち時間はトップクラスに長いですよね。じゃあ当然『飽き』あるのでは?なぜプレショーが無いんでしょうか。
この問題を考えるために、今一度、プレショーそのものについて深めていきましょう。そう、『ゲストを楽しませる』という観点から。

アトラクションの世界に引きずり込む-精神的要請-

見出しでだいたいわかりますかね。言い方を変えると、『アトラクションに乗る文脈をゲストに与える』とでも言いましょうか。それとも、『世界に迎え入れる』と言いましょうか。劇場型プレショーはこういった効果を強烈にもたらします。

この文脈が与えられることで、我々ゲストはそのアトラクションにおける『役割』を獲得します。そうなると、ゲストが持っていた『アトラクション』、『キャラクター』という認識は、無意識のうちに『同じ世界』『同じ世界の人々』という認識に変化するのです。
TDLやTDSという完成されたパークの中で唯一の異物であるゲストが、一時的にとはいえ『パークに組み込まれる』ことになります。

これが、アトラクションへの没入感、一体感といっても良いでしょう、それを高め、体験価値、楽しさを底上げしているのだと思います。

具体例を出しましょう。

タワーオブテラーについてですけど、あの文脈は『オーナーの失踪事件が起きたホテルの観光企画に参加する』というものです。これと、『シリキウトゥンドゥの呪い』の話がありますね。
単なるフリーフォールではなく、バックグラウンドストーリーに沿った文脈が我々に与えられます。なぜホテルなのか、なぜエレベーターが落下するのかというね。

プレショーは実質3つあって、まず『皆さんは観光客です。これからホテルのいろんなところをご案内します。あとオーナー失踪の謎も触れます。』ってプレショーがあり、次にハイタワーの書斎で『シリキについてのインタビュー来てもらいます。謎の現象が起きて、ハイタワーがシリキから逃げるよう警告します』と。
最後に、これはライドに乗ってからですが、『シリキがハイタワー同様我々を殺そうとします』という流れです。

こういうアトラクションの持つ深いストーリー性、テーマ性の話は追々するとして、だいたい雰囲気がつかめましたか?
プレショーを繰り返してじっくりとゲストを文脈に組み込むことで、ただフリーフォールに乗る以上の恐怖を感じさせてくることがわかるかと思います。

まぁ特にソアリン、タワーオブテラーなんかはこの傾向が顕著で。というのも、これらは『みんながよく知っている作品』を元にしていないんですね。ソアリンのカメリアも、タワーオブテラーのハイタワーも、パークが初出のはずです。だから時間をかけて『世界』にゲストを迎え入れないといけません。

したがって、何が言いたいかというと、プレショーは回転率という『物理的制約ゆえの要請』から生じているのはもちろんだけれども、『ゲストをアトラクションの世界に引きずりこむ』という『精神的要請』から生じる側面もあるということです。

よく考えれば、ディズニー側がこういうことをするのは極めて自然ですね。だって、『ディズニーパークってそもそもディズニーの世界に迎え入れる場所』じゃないですか。外が見えないように現実を遮断して、入園した瞬間から『楽しい夢にあふれたディズニーの世界』の文脈をゲストに与えています。

では、こういったディズニーの十八番、『文脈を与える』という精神的観点からプレショーを見直しましょう。ここで話を戻して、『劇場型プレショー』が存在しないアトラクション、回転率が高く、激しいアトラクションについて見ていきます。


プレショー分類:環境型プレショー

では、『プレショーはゲストに文脈を与えるもの』という結論、つまりプレ氏ショーの本質はディズニーパークと等価だという結論が出たところで、改めてプレショーについて考えてみましょう。

最初の方で、『プレショーの無いアトラクションもあるよね』という点に触れましたが、先程の結論から考えると、『プレショーの無いアトラクションなんてないのかもしれない』と思いませんか?だって、どんなアトラクションにも固有の背景(バックグラウンドストーリー, BGS)があるじゃないですか。それにゲストを組み込まないのはいささか不自然です。

ということで、新たにプレショーの分類に追加しましょう。劇場型のように語ることなく我々を文脈に引きずり込む.......

もう1つのプレショー、それが【環境型】プレショーです。
非劇場型でも差し支えないかもしれませんし、もはやプレショーとは?って感じですが、一応私の言いたいことは理解してもらえると思います。

簡単に言うと、アトラクションの待ち列そのものが雄弁に語ってくるって感じです。

例えば、スターツアーズ。
アトラクションの形式自体はシーライダーに似ていますが、これには『劇場型プレショー』がありませんね。もちろん、シーライダーより回転率が良いってのも理由ですが、なにより『スターウォーズ』はみんな知ってますからね。濃いしっかりした前説はさほど要りません。

文脈としてはせいぜい、『スターウォーズの世界で宇宙旅行』ってのを追加してやればよいので、待ち列の中で手荷物検査とか、C-3POやR2-D2がいるとか、『スターウォーズ』『旅行』の要素だけを伝えているのみです。

え?スターツアーズはさすがに特殊?
確かに、そうかもしれません。ということで、特にディズニー映画でも何でもないセンターオブジアースを例にしましょうか。

さて、センターオブジアースのストーリーをおさらいしておくと、『ネモ船長主催の地底探検に参加する』って話です。元ネタになったのが有名なヴェルヌの『地底旅行』なのは言わずもがなですが、スターウォーズよりは知らない人が多いかもしれません。

じゃあ、劇場型プレショーでしっかり文脈を与える、のがいいかもしれませんが、やはりスリル系なだけあり回転率は高いので『劇場型』をするには向きません。だからこそ、『環境型』なのです。

あの待ち列ではネモ船長が火山に作った地底基地の中を歩きますが、あそこはそのとおり『基地』なんですよね。我々は『探検・研究のための基地の中にいる』、それはつまり、『今から探検しに行く』ことを如実に語ります。
『地底探検』への文脈は十分にあります。『地底を掘削する機械』『地底生物の研究の様子』『地底の地図』『基地の地図』『テラベータ―』などが見えますね。

このような『文脈を語るものたち』について、詳しくはこの方のブログがよくまとめられているので、目を通してみると良いかもしれません。

『地底探検』という冒険への熱意をかきたてるような待ち列のプロップス(小物)たちは、一見ただそこにあるように見えてその実、異常なほどの雄弁さをもって『我々に文脈を語りかけている』のです。

どうでしょうか。
『ただそこにいるだけで文脈に組み込まれる』という【環境型】プレショー。まさにディズニーそのものですよね。当たり前のことを言っているようで、実際その効果はすさまじいと感じませんか?
ただ並んでいるだけで高揚する、一見プレショーが無いように思えたアトラクションたちも『ただ並ばせるだけ』ではないんですね。しっかりと文脈に組み込む構造を持っていました。

あ、そうそう、もちろん、この【環境型】という定義は、あらゆるアトラクションに適用可能ですから、タワーオブテラーなどの劇場型の例を出したアトラクションは【劇場型】【環境型】のハイブリッドであることはわかるかと思います。
2つの手法を用いて、『文脈』を与えているわけです。そりゃおもしろいはずだよね。

まとめ

ということで、今日は『プレショー』について長々と語ってきました。
プレショー・待ち列は本編ではないからか、割と何の気なしに済ませてしまいがちですが、だからこそ集中する価値があるんじゃないでしょうか。「いつからプレショーが本編ではないと錯覚していた?」ということですかね笑

では色々話しましたが、

プレショーとは、精神的に『ディズニーの世界に我々を引きずり込む』ものである。

という結論でまとめさせていただきたいと思います。

まだまだ知識の浅い私なりのお話でしたが、いかがだったでしょうか。楽しんでもらえたらうれしいです。

また、私の議論に対して「ここはどういう意味?」とか、「ここは矛盾してない?」とか、「こういう解釈はどう?」のような疑問や意見などがありましたら是非コメントで教えてください!!!! 記事の内容にどんどん反映していきたいと思っています!


【余談】
今はプレショーってほとんどやってないですが、もしプレショーが再開したら、特に【環境型】プレショーのプロップスには注目してみてください。そこには、ほとんど語られない、アトラクションやパーク固有のストーリーを見出すことができるはずです。伏線や小ネタの宝庫になっています。

また、今回触れられなかった『ディズニーのディズニーらしさ』『世界に組み込む』『テーマやストーリーの重厚さ』などについては後日お話しする機会があればなと思っています。

それではこの辺で。

以上


あなたのサポートで、私の食生活が大幅に改善されます。具体的には寿司になります。たぶん。あとディズニー旅行費用になると思います。ありがとう。