見出し画像

10001回目の3位決定戦 結果は・・・

もう誰にも止められない、太陽と月が濃厚な駆け落ちしたような熱々な昨夜(※個人差があります)
東京オリンピックが閉会しましたね(※引き続きパラリンピックをお楽しみください)。

数々の名場面が誕生したが、とりわけ男子サッカー日本代表の試合は胸あつだった(※個人の感想です)。
予選の2ー1で勝利したメキシコ戦。酒井選手からの縦パスに抜け出した堂安選手の絶妙なクロスを
久保選手が目一杯のトーキック(※事前に特別な訓練を受けています)で仕留めた。
ボールを奪ってからわずか7秒(※木村調べ)の鮮やかな速攻だった。

そしてわずか4分後、立て続けにPKのチャンス。キッカーは堂安選手。
キーパーの動きをよく観察した冷静さと、ど真ん中に蹴りこむ度胸と(※良い子は決してマネしないでね)
かっちょいいスパイク<史上最軽量且つ15%のグリップ性向上(※当社比)による、体験したことのない優れたボールタッチ感覚をあなたに!>
から放たれる、見ていて気持ちの良いゴールだった。

しかし皮肉なことにメダルのラストチャンスをかけた最終戦、メキシコに破れメダルを逃した。
ここでは結果・内容よりも何より、試合終了後の久保選手の悔し涙に日本中が心を打たれた(※20代~50代の男女300名を対象に実施した独自アンケート結果による)。

また主将として、真夏の炎天下でタイトな日程のなかフル出場を果たした(※医師の指導のもと安全には十分に配慮しております)
吉田選手の優れたリーダーシップと溢れんばかりの気迫(※溢れた気迫は若手選手がおいしく頂きました)も素晴らしかった。

悔しいと言えるオリンピック
選手も観客も、メダルを獲りたいし獲ってほしい。だからどうしてもメダルの色や数に注目が集まる。

だが、オリンピックの醍醐味はそこではない。お互いへのリスペクトや、久保くんのような敗者の悔しさ。
久保くん、ほんとうに悔しそうだったなぁ。いま久保くんに向かって「ほんとうに悔しいと思ってますかぁ!?」
と聞く人はまずいないと思う。

なぜこんな事を言うかといえば、僕が社会人2年目のどペーペーだった頃、当時としては衝撃的な一言をくらった経験があるから。
自分の失敗により各方面へ迷惑をかけて落ち込んでいたとき、前任の先輩にこう言われた

先輩:いまの気持ちは?
ぼく:悔しいです。
先輩:ほんとうに?
ぼく:はい、ほんとに。
先輩:(ぼくの頭を軽く叩いて)
   「バカっ、悔しいってのはな、頑張った人があと一歩届かなかったときに使う言葉なんだよ」

うまくいかなかったとき=悔しい という単線的な考えしかなかった僕にとって、悔しいに然るべき使い所が
あると教わって衝撃をうけた。
日頃の僕の怠慢をそばで見ていた先輩ならではの喝だった。
何かあるとよく怒っていたその先輩、今は鹿児島にいるのだが、今でも桜島に負けず劣らず噴火しているのかな。

10001回目の3位決定戦
あれだけ悔しそうにしている久保くんを見ていると、可能であればもう一度メキシコ戦の試合をさせてあげたい。
もう一度チャンスがあれば勝てるかもしれない。もちろん、負けるかもしれない。
勝てるまで、試合をさせてあげたい、、でもこれが果てしなく続き、、なんと10000回目。敗北。
それでは、10001回目の結果はどうでしょうか。
DREAMS COME TRUEの名曲「何度でも」にこのような歌詞があります。

「10000回だめで、ヘトヘトになっても10001回目は何か変わるかもしれない」

なるほど、おもしろい。
この世の物事にはすべて原因と結果があるという考え方があるが、この因果にのってみると
10001回目に何か変わるかもというのは幻想で、変わることはありません。

たとえば、サッカーボールをスローインしたら飛距離はともあれ、必ずピッチに落ちます。
これを10000回繰り返したあと、10001回目はどうなるかわからない!というのは話せば長くなりますが少々無理があるでしょう。
なぜなら、サッカーボールが落ちるのは自然の摂理によって決まっており、
経験したことのない1回目からそうだろうとわかるア・プリオリな判断ができるから。

でも試合となった途端、これは違う。サッカーのルールも人間がつくったものだし、
どこを走るか、どの強さでパスするか、どのタイミングでシュートするか、
全部選手がその場の状況をみて、培ってきた経験から判断されたプレー。
そこにガチガチの因果はなく、10001回目も必ず負けると完璧に説明することはできない。

感動をありがとう
自然科学ではないから絶対勝てるなんてない領域で、1%でも確率をあげるために毎日努力してきた選手たち。
試合後の久保くん涙は紛れもなく、「目の涙腺から分泌される体液」ではなく「悔しさ」ですよね。
だからこそ負けても感動する。自分自身は見ているだけなのでインスタントなものだが。

サッカーに限らず、すべての競技のアスリートの方々、感動をありがとうございました!





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?