昭和の記憶、フレンチトーストの香り

  子供の頃、世界はまるで小さな箱庭だった。喫茶店の窓から漏れる光は、遠い異国の物語のように感じられた。カフェなどという洒落た言葉は、まだ私たちの辞書にはなかった。昭和の日々は、シンプルで、予測可能で、何よりも慣れ親しんだものだった。

　時は流れ、世界は変わり、今や「何でもある」時代へと進んだ。
インターネットの海には無数のレシピが溢れ、遠い国の味さえも、我が家のキッチンで再現できるようになった。そんな中で、フレンチトーストは、ただの朝食を超えた存在となった。

懐かしい食べ物

　久しぶりにフレンチトーストをランチに作ってみた。卵と牛乳に浸したパンを焼くその瞬間、焦げた香ばしさが空気を満たす。ほのかな甘さが舌を包み、牛乳の優しい香りが記憶を呼び覚ます。紅茶をそっと注ぎ、一口一口を噛みしめる。それは、昔と変わらない至福のひとときだ。

美味しい！！

　昭和の時代から流れる時間の中で、フレンチトーストはただの食べ物ではなく、過ぎ去った日々への懐かしい旅路となった。
それは、新しい時代の中で、古き良き時代を思い出させてくれる、小さなタイムカプセルのようなものだ。

　今日も、フレンチトーストの温もりに包まれながら、昭和の記憶を辿り、時代の変遷を感じる。そして、これからも、その甘い香りと共に、新たな思い出を紡いでいくのかな！

次回はこのようなフレンチトーストを作ってみたい