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近くないとだめ。

彼女が実家に帰っているので、帰宅すると惰性で生きている。

一人きりでいるとき、何をするかで自分が客観視できると思う。音楽を聞いて、積んでいた本を読んで、ブックマークしておいたサイトを徘徊する。眠くなったらこたつでそのまま目を閉じる。

まぶたがかゆい。ふさふさする。目を開けると、檻から出したままのうさぎが、私の顔をベロベロ舐めていた。数分くらいだろうか。左の頰を舐められている時、薄眼を開けると、細くて白い、うさぎの毛が見える。距離にして2、3センチ。

しばらく毛を見ていた。ちょっと見惚れていた。
多分、これくらい近くじゃないと気づけないのだ。

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