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流浪の老体
2018年10月17日 02:15
「うちの会社については?」バイトの応募に来た矢来君は窮する事なく「家事代行的な」と答えた。私は頷くと「家の事が疎かになりがちな方達の、普通の生活のお手伝いをする会社です」と続けた。頷く彼の履歴書にもう一度目を通し、『特技』について改めて訊ねた。「…で、特技が超能力と」「まぁ、正式には置いてくるだけなんですけど」「置いてくる?」矢来君は机の上の消しゴムを掴むと、目の前にか