流浪の老体

不成忍ノ者

袖がぼろぼろの使い古された着物と、これまたぼろぼろの風呂敷を背負った出で立ちで、多助は街道を喜々として歩いていた。 上背がある。 筋骨逞しく、重さを感じさせる体…

異世界転生してきたらしい救世主(自称)が諸事情で全く使い物にならない件

「壊すだけの俺の力…、まさか活かせる場所があったなんて」 不意にこの地を訪れた異世界の男は、確信めいた様にそう告げた。 「タケル君。俺の力で世界を」 「いや、志…

かしまし代行屋奇譚

「うちの会社については?」 バイトの応募に来た矢来君は窮する事なく「家事代行的な」と答えた。 私は頷くと「家の事が疎かになりがちな方達の、普通の生活のお手伝いを…

継ぎ接ぎの裁断者

スーツの男が差し出した紙切れ‐依頼状‐を一瞥すると、継ぎ接ぎだらけのコートの男は舌打ちをした。 「バラバラにするとこだった」 コートを翻すと、男は明かりの方へと…