killdisco exhibition|konstellation
8/27(土)から9/11(日)まで学芸大学のSUNNY BOY BOOKSさんで開催中の個展「konstellation」のテーマや作品解説です。まずは基本概要を。
展示テーマ
今回の展示タイトルの「konstellation」は星座という意味の他に状況や情勢、局面などの意味を持っています。
様々なことが起きて生活の中で悩んだり考えたりすることが続いていく中で一度自分の歩んできた時間や現状を見つめ直してこの先に行きたい場所への道を探していくことが今必要なことなのではと思い、それぞれ場所も大きさも全く違うばらばらのお互いに異なるところに存在する星を意想外のしかたで結びつけることで生まれる星座になぞらえて自分自身の現在位置の再マッピングをしてみようというのが今回の展示テーマです。
星座をテーマにしたきっかけにW ・ベンヤミンの『歴史の概念について』で書かれている星座的配置があります。ベンヤミンの話を読んでその時にtwitterに書いたのが下記の図です。こういう流れから今回の展示につながっていますので貼っておきますね。
過去・現在・未来をどう捉えるか
今回の展示のテーマとして自分の中にあるものを再マッピングすることで現在地を見つめ直し次につなげるというものがあるのですが再マッピングをするときに過去をどう扱うかということも考えていました。
過去というのは文字通り過ぎ去ったものではあるけれど現在や未来が存在する為に必要なものであるし現在や未来があるから過去が存在するということも言えてそのあたりは今後も制作の中でしっかり取り組んでいきたいなと思っています。
意味を複数もたせる
先ほどの図でいうと右下の図になるのですが今回の作品はそれぞれ単体で意味を持っていますがそれぞれ別の意味を付与していてそれが集まって展示会場に並んだときにまったく別の意味を持つようにしています。これについては次の作品紹介の中でもう少し詳しく触れていきますね。
作品について
DMにも使用している作品で、これは望遠鏡を覗いて未来を見通している絵と指で輪を作って過去を見つめている絵の連作になっています。会場ではこちらの2枚の絵が壁の中央に並んでいて今回の展示が現在地点を表しているようなイメージになっています。
こちらは星空と双眼鏡の絵です。これは今回のテーマをそのままの意味で反映した作品になります。会場では入り口から直線で見える壁に飾ってあるのですが写真を撮ると望遠鏡のレンズの部分に入り口上に飾ってある灯台の絵が写り込むように設置してあります。ちょっとした小ネタですがよかったら会場で写真を撮ってみてくださいね。
ここまでの3枚と残りの12枚のあわせて15枚が今回の展示作品です。テーマが星座で残りが12枚ということでなんとなく察してもらえるかもという感じですがここから12枚はそれぞれ12星座を元の星座とは違うモチーフで描いています。
星座を作るときに元々はそれぞれ全く違う場所にある星をつなげて意味を持たせていることや空の雲を見たときにあれは犬かな?いやパンかな?くじらじゃない?と同じものを見たときに全く違う意味を雲に見い出すようなことから発想をうけて、それぞれ見たままの物の絵として成り立つけれど展示会場でまとまって並んだときにまた違う意味が出てくるということをやってみています。全部これは何座で〜というのを書いてしまうのもすこし野暮なのでここからはすこし駆け足で紹介していきますね。
食卓の上に並んだフルーツの作品と3つのパンの作品です。
3つのパンの絵はクロワッサン部分がつのになっていて牡牛座をイメージしています。食卓の方はちょっと難しいかもですが何かなと考えてみてもらえたら嬉しいです。
星を抱えた双子の作品と2羽のうさぎの作品です。
星を抱えた双子はそのままストレートに双子座を、うさぎは耳の部分をハサミに見立てて蟹座をイメージしています。
線画で描いたねこと星柄スカートの女の子の作品です。
ねこの方は12星座でネコ科といえば・・・で獅子座、スカートの方は乙女座をイメージしています。
灯台の絵は12星座の意味もあるのですが今回のテーマを進めていく中で出てきた過去と現在、未来を照らすモチーフとしても描いています。花のほうはくるっと丸まった部分を尻尾、葉っぱをハサミにみたててサソリ座をイメージしています。全部言ってしまいそうなので灯台の方はなにか考えてみてくださいね。
ベルとすずらんの花の作品と鳥の作品です。
鳥の方は弓矢の形に見立てて射手座をイメージしています。ベルの方は12星座の中でベルをつけていそうなのといえば・・・という感じです。
亀と飛行船の作品です。亀のほうは日本語で発音してカメで星座でといえばというので考えていただくとという感じですが飛行船の方は飛行船の形を魚に見立てて魚座をイメージしています。
という感じで今回の作品はそれぞれのモチーフの持つ意味の他にそれぞれが集まって展示されると別の意味も生まれてくるような感じにしています。とはいえこれは自分がこうかなと思っているだけなので会場で見ていただいてこれはこうかな?これはこんな感じかな?と色々自由に解釈していただけたら嬉しいです。
まとめ
今回の展示の準備中は自分のやりたいこと、できること、今まで自分の中の引き出しにいれてきた過去の経験などいろいろと再確認していく時間が長く難産気味でしたが出来上がった展示作品をみてこれは今やっておく必要のある作業だったなという気持ちになっています。
見ていただいた方によって見えかたの変わる作品を揃えてありますのでそれぞれみなさんの星座を作ってそれを一緒にいらした方やたまたま居合わせた方といろいろお話してみていただけるととても嬉しいです。これは展示のたびにいつも書いているのですが自分の描いた作品を作品として見ていただくことは当然とても嬉しいですが会場までの行き帰りの道のりであったり会場で出会った方との交流であったり今回の展示という場所をきっかけにしてなにか新しいことが起きたり少しでもいい気持ちになっていただけたら嬉しいなと思っています。
では続きは会ったらお話しましょうね。
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