誘惑

緩く暖かい陽射し、チュンチュンという鳥の声、そしてそれに共鳴するかのような、ギコギコという幼児用自転車の音。
どれも「春が来たな」と思わせるもののはずなのに、あまりの暑さに汗をかいてしまって、春なんて無かったと錯覚してしまう。
未だに雪の残るところはあるし、木に葉っぱも生えていない。まだまだ春はこれからだろうに……と思ったり、あぁもう春だ!と思ったりと忙しい。早めに気温差も無くなれば、少しはゆっくりとできるけれど。
日曜午後3時、西陽を受けるベッドの上。
眠気がピークに達して、暖かさと布団の心地良さに負けて眠りにつく。
夜、眠りが浅くなることも分かっているけれど、この心地良さに勝つことは出来ない。
睡魔を受け入れて眠るときこそ、人間は真の姿になるのだろうなぁ。

夕飯で膨らんだお腹とそれに誘われる眠気!お腹いっぱいになって眠くなる、と言うと恋人には「ばぶちゃん」などと言われる。
人間の本能じゃないのか……?!と思ったり、満腹手前で辞められないのが問題かな、と思ったり。
可愛がられている様ではあるので、満更でもない。末っ子として可愛がられてきた時期がかなり長い為か、甘やかされていないと寂しさを感じる。
寄りかかれそうな相手を見つけると、赤ん坊のようになったり、負の感情をこれでもかとぶつけたり。
ある種「わがまま」とも取れる様な行動をしだしてしまうので情けない。ただ、恋人は自分のそれを受け止めてくれる。
恋人として私を愛している証拠だと、私は思う。
出来ることなら、これが永遠に続いて欲しいものだ。

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