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出雲井於神社(下鴨神社境内)

京都、賀茂御祖神社、通称下鴨神社の楼門の内側にある出雲井於神社。この界隈の地主の神のようです。延喜式にも載る古社。
東を向いて建つ左右、つまり南北に岩本社・橋本社の末社がある。住吉神の岩本社、玉津島神の橋本社は上賀茂神社の境内にもありました。この二社が下鴨神社の地主社的存在の両サイドに鎮座する意味とは、何でしょうね。
またご祭神がスサノオというのも今後の課題として、今日は境内の案内板をそっくり書き写すにとどめます。

重要文化財 出雲井於神社〔いずもいのへの じんじゃ〕

祭神、建速須佐乃男命〔たけはやすさのおのみこと〕

例祭日、十月十四日

「延喜式」に「出雲井於神社」とある神社で「日本書紀」 神武天皇二年の条に葛野主殿県主部〔かどのとのもりあがたぬしべ〕とある人々が祖神としてお祭りした神社です。
古代山城北部に住んでいたこの県主部たちは、鴨氏と同じ祖先に属し「神亀三年(七二六)山背国愛宕郡出雲郷雲上、雲下里計帳」(『正倉院文書』)で知られる人たちです。
大宝令(七〇〇)以降、山代国葛野郡は四つに分割され、鴨川と高野川の合流点より東山、北山までの地域が愛宕郡となり鴨川の東岸が蓼倉郷、西岸が出雲郷となりました。
「井於〔いのへ〕」とは、鴨川のほとりのことで、出雲郷の鴨川のほとりの神社という意味です。
承和二年(八四四)二月二十日、太政官符によって定められた鴨社領出雲郷の総社でありました。
その地域の氏神社、地主社として信仰が厚く、通称を比良木〔ひらき〕神社と呼ばれています。
また、厄年の御祈願としてこの神社の周りに御献木すると、ことごとく柊になってお願い事が叶う「何んでも柊」と呼ばれ、京の七不思議になっています。
特に古来より、お祭りに「お茶」を薬草としてお供えされるところから、お茶の神様としても信仰されています。
さらに「ヒラキの牛王宝札〔ごおうほうさつ〕」という特別御祈願符がいただけます。
現在の社殿は寛永六年度(一六二九)式年遷宮の時、先の式年遷宮(天正九年[一五六一])に造替された御本宮本殿が移築され、当神社の中では最も古い貴重な社殿です。

重要文化財 末社(北社) 岩本社 住吉神
重要文化財 末社(南社) 橋本社 玉津島神

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