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東雲荘の日記帳SS

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短編小説集です。暇つぶしにどうぞ。
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颯太と樹と花壇

颯太と樹と花壇

もう冬の香りが漂う頃なのに、東雲荘の花壇には色とりどりの花が咲いていた。俺がここに来てから花の咲いていなかったことはない。きっとあの人が手入れをしているからだろう。
庭に設置してある木製のベンチに腰かけてスケッチブックを開き脇に鉛筆セットを置く。

「今日は何を描こうかな」
鉛筆を一本手に取って腕を前に伸ばす。どこかいい切り取り方はないか、鉛筆の先を見ながら考えた。

「……おい、何してるんだ

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