幸福には優先順位がある『精神科医が見つけた 3つの幸福』
樺沢紫苑『精神科医が見つけた 3つの幸福』という本がなかなか面白かった。文中には少々根拠があいまいな記述が散見されつつも、あくまで「実用書」と断ってあるので、細かいエビデンスより実践にベクトルを向けた本である。
人間が感じる幸福を脳内物質で整理したところが画期的だ。さらに幸福には優先順位があるという。
その順番は、
1)セロトニン的幸福(心身が健康である幸福)
2)オキシトシン的幸福(人間関係がうまくいっている幸福)
3)ドーパミン的幸福(仕事の成功やお金の幸福)
つまり、①心身の健康に気を配り、②他人に優しくして、その上で③仕事に精を出すと幸福になるよ、というわけだ。
普段からぼんやりと思っていたようなことなんだけど、こうやって整理するとよく分かる。
いきなりドーパミン的幸福にアプローチすると、なかなかうまくいかないのも説明できる。ドーパミン的幸福を得ることに汲々として、健康を損ない、家族に嫌われている人がいる。たとえお金やモノをたくさん持っていたとして、それは幸福だろうかと思う。
本文では瞑想にも少し触れてあった。
私も仏教瞑想実践者なので、興味を持って読んだのだが、その方法はいわゆる「マインドフルネス」流である。今の自分を観察し心や体の状態をモニターする。仏教のヴィパッサナー瞑想では、それを判断しないようにするのだが、本書では点数をつけることを奨励してあった。このあたりは「マインドフルネス」の文脈だとありなのかもしれない。仏教瞑想と「マインドフルネス」は似て非なるものなんだなとあらためて思った。
40歳代も後半になってくると、健康というものは得難い財産だなとしみじみ思うことがある。誰かに親切にすることも楽しみとして喜べるようになってきたし、仕事もやりがいがある。あとはお金があれば言うことはないのだけど、根っからの貧乏性でどうせあっても使いきらないからまあいいか。
楽しくいろいろやってます。ちょっと古めのゲームとか音楽とか映画とか好きです。最近は瞑想が趣味。よろしくお願いします。