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【エッセイ】引き算(500字)

またまたラジオネタ。今日はラジオ深夜便「明日へのことば」から。

歌手で俳優の石橋凌のインタビューだった。Googleで顔写真を検索してみると彼を俳優として知っているのは人気刑事ドラマ「相棒」の三雲判事役として何度か拝見したことがある。うまい役者さんだなと思っていた。

松田優作から影響を受けて俳優になった元ロックシンガーっていうのが意外だった。インタビューの話の内容から受けた印象としては表現者として本質に迫るしっかりと芯のあるヒトだなと思った。

松田優作からさまざまなことを教わったそうだが、その中の映画論のひとつに「映画の表現は引き算だ」というものがあったそうだ。これはかなり納得した。

映画はエキスを抽出するようなものだと私は思っている。概ね松田優作と同じ考えというわけだ。

映画に限らず全ての表現が究極的には想念の抽出だ。その取り出されたエキスを受け取る人が媒体となって、その隅々にまで拡散し精神全体に影響を及ぼすものでなければならない。

私も文章を紡ぐ時もそうやってしているつもりである。種々雑多な考えも知識も何もかもが私というフィルターを通し、何か役に立つエキスを抽出できればなと常に思っている。

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