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【エッセイ】境界線(800)

大阪ミナミのど真ん中。

人も店もビルもぎゅうぎゅうだ。しかしたった数十kmくらいしか離れていないところに鹿が人より多い奈良っていうクソド田舎県がある。

果たして街と田舎の境界線は明確に決められているのだろうか?

同じ地球上。

どんなに貧しくてもどんな下劣な犯罪者でも、無知でない限りとりあえず快適かどうかは別にして衣食住は保証されている日本のような国がある。一方、権力者とその家族と仲間以外はどんな犠牲を払っても食べるものすらない北朝鮮のような国がある。

果たして平和な地域と紛争地域の境界線は明確に決められているのだろうか?

なぜ、福島第一原発から10km以内にはいまだに人が住めないのだろう。なぜ、原発事故の後に放射線量の基準が変わったのだろう。

答えは簡単だ。それまでの基準では東京に人が住めなくなるからだ。

安心していい。日本人はおそらくほぼ全てがガンで苦しんで死ぬ。私も私のこどももあなたも。

それは間違いない。何年後かは知らんが今までよりはずーっとずっと有意な確率で。

爆弾が雨あられのように降ってくる国に住むのに比べてそれはましなことなのだろうか?

全然ましじゃない。むしろ遺伝子の損傷を受け続けていたという点では遥かに悪い状況だ。

日本で安全なのは沖縄県だけだって断言し全ての仕事を辞め石垣島に移住した女優・高樹沙耶さんは狂人と見られているが彼女は正しいのだ。

でも悲しいことに大多数の人には彼女の真似をするような金もあてもない。たとえそんなものがあっても便利な「今」に目がくらんで実行には移さないだろう。私だってそんなことはできてもしない。

どうすればいいか。あの時と同じようにガンと遺伝子の変異の関連性を示す基準を変えればいいのだ。するとあら不思議!誰も福島第一原発の事故が原因でガンになったっていう有意差がなくなる。

仕方ないね。国は何も悪くない。みぞうゆうな大災害だったものね!

楽天家?いや、日本人全員ただの馬鹿だ。


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