【エッセイ】上を行く人々と騙される私(1000)

このメディアリテラシーの低い日本で、スポーツ新聞より更にリテラシーの低いヤフーニュース。仕方ない。無料だもの。

家には朝日新聞があるので、ヤフーニュースを情報源とするのを辞めたいのだがついつい眺めてしまう。

今朝も起床後眺めていると面白い記事(というか現象)を目にした。

匿名性の高いかつての2チャンネルのような文化を継承しているヤフコメ。今、最も好き勝手なことが書き込まれている媒体であるというのが私の感想だ。

そこに今日はまともなことが書かれていた。

その記事は、使用済み下着を売ってお小遣いを稼いでいるという主婦の話。射倖心が煽られて私も読んでしまった。情けない。

ソースは下品なグラビア誌「SPA!」の電子版。その時点で読む価値はないのだがざっと目を通す。バカだ。

内容は本当にくだらない。

その主婦はメルカリで使用済み下着と偽って、使用感を出した下着を1,000円で売る。中に連絡先を忍び込ませ直接取引を持ちかける。「もっと下着を買いませんか?」直接会うようなことをにおわせて、同情心に漬け込むためにシングルマザーなどと偽り少しずつ貢がせる。引っかかるのはそこそこ金を持った弱者男性。彼女はその金で夫の車を買い、ホストに貢ぐ。夫は私をタダで抱き、ホストは金を貰って私を抱け、弱者男性は私に指一本触れられない、と射倖心を煽る下劣な表現が続く。

ヤフコメに矛盾が指摘される。

「メルカリで使用済み下着は規約上売れないし、出品したら即販売停止されてアカウント凍結されますよ。」

確かにその通りだ。そんなブルセラまがいのことはヤフオクならともかくメルカリでは絶対不可能である。

ヤフコメに書き込むようなヲタクが無知な三流グラビア誌記者を論破していた。たまには連中も役に立つ。

記事はおそらく創作。似たようなことをしている人はもしかしたらいるかもしれないが記者が読まれるように話を盛ったのだろう。

しかし記事は読まれさえすればなんだっていい。フェイクだろうがなんだろうが。情報源の信頼性など二の次である。

有能な記者とは読まれる記事を書く者のことである。有能な弁護士とは正義の味方ではなく裁判に勝てるどんな手でも使うヤツであるのと似ている。

メディアのリテラシーの低さの根源はそこに収束する。そんな記事が求められている、ということは読者の質が低いということだ。

とどのつまり、メディアが悪いのではない。群衆が悪いのである。

岸田がバカなのではない。彼の属する自民党を選んだ国民がバカなのだ。

また当たり前のことを書いてしまった。

#創作大賞2024 #エッセイ部門



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