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イメージとメッセージ性【エッセイ】九〇〇字

人が抱くイメージ。

例えば

「笑顔のステキな黒髪の美女は性格も美人に違いない」
「爽やかなあの青年はきっと性格も感じがいいはず」
「ダンディーなあのおじさまはきっと管理職だろう」
「あの上品なマダムはお金持ちよね、きっと」

これらは全て勝手にこちらが抱く妄想である。笑顔がステキな性格ブスも見た目爽やかなクソ野郎もダンディーな平社員も上品な貧乏人もいる。人間の本性からして悪い場合の方が断然多い。

外見がいい人は内面や社会的地位など見えないステータスも優れているというイメージを抱きやすい認知バイアスを心理学では「ハロー効果」という。ハローとは聖画で聖人やキリストの頭に冠される円形の光のシンボル、いわゆる「天使の輪」のことである。

その真逆が「ホーン効果」である。ホーンとはもちろん「悪魔の角」のことである。見た目が悪い人は悪事を働いているに違いないってやつだ。

今、世に蔓延るほとんどのくだらない漫画やアニメはヲタクに媚びて(消費するのがヲタクだから)あのクソみたいな連中が好む下劣で意味不明な内容になっている。

しかしこの方のアニメは違う。おぱんちゅうさぎで有名な可哀想に!さんである。

一見汚らしい絵柄でパンツを履いたうさぎなどという下品でいかにもヲタクどもが好みそうな内容のものと作品を拝見するまでは私も思い込んでいたのだが、人間の本質を独自の視点で描いたとてもすばらしい作品だ。

可哀想に!さんの作品で最近YouTubeにアップされた「んぽちゃむ」(白いやつ、ヨーグルトの妖精)の『教習所2』がすばらしいのでぜひ観ていただきたい。

んぽちゃむが出てくる他の動画を見たが、このんぽちゃむという人物は一見バカで自分勝手で性格が悪い。しかし何か特別な魅力があるらしい。他人に好かれるのだ。黄色いひよこの人型はきみまろという。中身イケメンの最高にイカす人物だ。

この作品で繰り広げられるドタバタは単なる中身のないヲタクどもが好むような表面的で荒唐無稽な喜劇ではない。多少極端ではあるが、人間が日常的に行なっている認識の違いによる不和を面白おかしく実に端的に描いている。すばらしいの一言に尽きる。

可哀想に!さんも娘たちに教えてもらった。若い人と一緒に暮らすと感性が研かれる。いろんなことを教えてもらえてとてもいい。

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