再就職を目指すあなたへ:政治にも目を向けてみよう
政治?自分には関係ないし、とにかく自分が働くことだけ考えていればいいのでは、と思った方。
あなたの働き方にも影響があるかもしれません。
先日の岸田総理大臣の記者会見にこんな資料が出されていました。
「こども・子育て政策 目指す社会像と基本理念」。
ちょっと見てみましょう。
3つの基本理念は、
若い世代の所得を増やす
社会全体の構造・意識を変える
全ての子育て世帯を切れ目なく支援する
働き方に関係するところを見ていきましょう。
1.若い世代の所得を増やす
まず、「賃上げ」。子育てや教育にお金がかかることから、若い世代の所得を増やすことが挙げられ、その中でも賃上げは最重要課題とされています。そのため、男女ともに働きやすい環境や、希望する非正規の方の正規化、といった皆さんの働き方に直接プラスに働きそうな項目が並んでいます。
次に、「106万円の壁」「130万円の壁」の見直し。
今、従業員が100人以下の会社では、非正規の場合、正社員の4分の3以上働く人だけが社会保険に加入することになっています。これが、来年10月からは50人を超える会社であれば、週20時間以上などの条件を満たす方たちが新たに社会保険の加入対象になります。そこから先は、具体的には決まっていませんが、もっと小さな会社でも同じような取扱いになるといわれています。
社会保険に加入すると、保険料負担で手取りが減るのを避けたいと思う方もいらっしゃるでしょう。ですが、病気やけがで休んだときに受けられる「傷病手当金」など、メリットも大きいのです。
健康保険の扶養の基準の「130万円」もいずれ見直されることになるでしょう。今までは、自分で保険料を負担しなくても、健康保険の給付や国民年金第3号被保険者として扱われるなど、収入を130万円未満に抑えることにはそれなりのメリットがありましたが、これからはそれも変わることになりそうです。
あわせて、年々最低賃金が引き上げられ、扶養の範囲内に収入を抑えることも難しくなってきます。
壁を越えても、手取りの逆転を生じさせない取組がなされることにもなっています。
女性の年齢が上がるにつれて正規雇用の比率が下がる「L字カーブ」の解消も謳われています。
2.社会全体の構造・意識を変える
「育休を取りづらい職場を変える」ということで、男性育休取得率の大幅アップも目標として掲げられています。育児をしながらキャリア形成をしていけるように、時短勤務にも育休給付を創設することも挙げられています。
3.大きな動きもとらえて働き方を考えよう
いかがでしたでしょうか。時代はどんどん変わっています。今月末にも政策のたたき台がまとめられることになっていますので、注目してきましょう。そして、そんなことも意識しながら働き方を考えていくといいですね。