ハウスに向いてる作物、向いてない作物
先日、ハウスの使い方について説明をしました。ハウスは設備投資費がかかります。その費用を回収しようとしたら、そのハウス内で作る作物を選ばなくてはいけません。
向いてるもの
たまにニュースになるのですが、企業が農業をするときは大きなハウスを持っていて、中でトマトを育てていることが多いと思います。トマトは雨が当たると実が割れやすいので、ハウスで育てることが多いのだと思いますが、先日も触れましたが、ハウスの中では天候に左右されて労働時間がふらつくことが少ないです。
もう一つの理由は、トマトは蔓が縦に伸びていって、同じ場所から毎日トマトが収穫できます。ですので、面積がそこまで必要なく、毎日同じ場所を行ったり来たりすることで生産量が積み上がっていきます。
こんな感じで、ハウスを利用する上で向いているのは、トマト、きゅうりなど、実を収穫するタイプの植物がいいように思います。
向いてない野菜
育てるのに必要な面積が大きい野菜が向いてないと思います。例えば、キャベツや白菜は一反(いったん:300坪)に対して、5000株くらいまでしか植わりません。農家がフィルムに入れる必要もないので、収穫ペースも早いです。1回収穫したらその場にはもう用はありません。
また、芋類はハウスに入れなくとも、収穫するところが地中に埋まっています。トラクターのアタッチメントを使って掘ったりするので、柱がいっぱいあるところでは非効率だと思います。
ですので、たくさんの量を収穫しようとしたら、次々と畑を移動しながら収穫していくことになります。結果的に、広大な面積を露地(ろじ)でされている方が多いです。
葉物は中間的なポジション
葉物は、露地で栽培すると全滅することもありますので、ハウスの中に少量でも植えておくと、台風の後でも高値で取引きされることもあります。また、ハウスがカラになってしまう時間ができてしまうと、それはそれでロスになるので、パッとタネをまける葉物が重宝します。
最近出てきた多段式
より多くの量の葉物を少ない面積で栽培するためにはトマトやきゅうりのように縦に収穫していく必要があります。そんな訳で、縦に何段も積み上げて栽培する技術が最近出てきました。縦に積み上げると影ができてしまうので、光が当たるように工夫していたりします。
終わりに
実のところ、農家さんも、自分のことで精一杯なので、よそが何をしていて、どんな技術を持っているのかについては、知らないことが多かったりします。トマトやきゅうりを露地で育てることもありますし、ビニールを剥がしてパイプだけを支柱として使っている方もいます。
こんな感じで稚拙ではあったと思いますが、ハウスと植物の相性をまとめてみました。農業についてクローズアップされている場合、特定の技術にフォーカスが当たっていることが多くて、俯瞰しにくいように思います。ここに書いてあることが全てではありませんが、知っているかぎりを書かせていただきました。
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