谷崎潤一郎「痴人の愛」

こんばんは、きくみです。今日は谷崎潤一郎の痴人の愛の読書感想を書きます。前回は金田一耕助だったからなー、それを読み終わったあと、毎日少しずつ寝る前に読んでいたらけっこう期間が空いてしまった。っというかですね、私の個人的な事情なんですけど、ただ今、微熱&腹痛でして。文章変かもしれないわ。普段も変だけど、今日は特に書き直しもしないで殴り書きする。

なんでこの本を読もうと思ったかというと、とある人が毎年この本を読み返しているとお話していたことがきっかけです。著作権が切れているので青空文庫ですぐにダウンロード。文明の利器って便利だね! 谷崎潤一郎は春琴抄だけは読んだことがありまして、なかなか痛いことをする作家だなあ~という印象が残っています。細雪も有名だけど読んだこと無いんだよね。そういや2-3年くらい前、とある女の子とお付き合いしていたとき、文学館で谷崎潤一郎展をやっていたので一緒に見に行ったなあ・・・その子、元気でやっているんだろうか。

お話の中身は、河合譲治さんというお固い職業をされている主人公が、カフエ(今で言うとキャバクラ)で奉公していた美少女のナオミを身請けして、自分の手元において育て上げていったら、とてつもなく美しく、そして奔放な女性になり遂げていって、譲治を小悪魔的に振り回す、というもの。最後は譲治はナオミさんの言うままに生活するわけですよ。

ナオミが小悪魔といいますが、少女漫画的な小悪魔ではないんですよ。平気で男と寝るし、それで悪びれず、譲治はナオミの美しさにすべての支配を委ねます。

ナオミを小さな頃から女になるまで育て上げていた譲治は、現代版光源氏でナオミは紫の上ちゃんというところでしょうか。小さい頃のナオミは風呂の世話も全部譲治任せ。でも大人になってからは、風呂上がりから少し経ったあとの美しさで譲治を狂わす。

終盤、ナオミと譲治は一時的に別れるんだよね。「友達」になるわけだけど、キスはダメと言いながら自分の息を譲治に吸わせるのは、、、これは小悪魔ではなく、蠱惑的な魅力と言ったほうがいいかも。

ナオミは、他の男と寝たからと言ってそれが悪いとは言わない。むしろ自由に生きていいでしょう?というわがままな態度。当時(1920年代)の女性館からすると信じられないでしょうね。この頃は、妻は法的無能力で、妻の判断だけですべて決定できたわけではなかったからね。昔読んだ小説で、菊池寛の真珠夫人(これも1920年代)というものがあるんですけど、そこでも瑠璃子さんは聡明で教養があり、性的にも魅力的であって男を惑わす存在と描かれている。この頃の実生活とは異なるアンチテーゼとしての女性像はこういう描かれ方だったのだろうか。思いつきの域を出ないけど、調べたら面白そう。

読んでいるとナオミさんに狂った譲治がよくわかってしまう。自分よりも若くて美しく、性的な魅力もある女性に振り回されるのはどこの時代でも需要がある話なんだなあ。ナオミに狂わされたい方はどうぞお読みあれ♫著作権切れているので無料です。

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