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売れない芸人は何してる?

「売れていない芸人って普段何しているの?」
今日はそんな疑問に、プロのお笑い芸人が答えたい。

売れていないお笑い芸人は何をしているか?

結論、何もしていない。

ごめんなさい(笑)。そんなこと、芸人じゃなくても十分承知ですよね。

「何をしているの?」という問いが、「どんな仕事をしているか?」という意図だと仮定して答えます。

私は松竹芸能という事務所に所属するプロのお笑い芸人です。事務所の養成所を卒業し、1年ほど活動しています。

ただ、事務所に所属しているからと言って、素人時代と生活に変わりがありません。

とはいえ、本当に何もしていなかったわけではありませんので、私が経験した仕事を一部紹介します。

ライブの手伝い

先輩芸人の舞台のスタッフをしています。これが月に1〜2回くらい。

先輩芸人やマネージャーにヘコヘコしながら、9時間くらい拘束されるため、肩が凝ります。でも間近で舞台が見れるのは楽しいです。

番組のオーディション

最近は動画審査が多く、テレビ局へ出向いてネタ見せ、なんてことはあまり経験しませんでした。

番組の趣旨に合ったネタをせっせと書き、後から落選連絡を聞いては、ため息を吐きます。

エキストラ

マネージャーから直接いただく仕事として多いのはエキストラ。脳トレブーム並みに不意に訪れては、明日来れるか?と急かしてきます。

売れていない芸人についてよく聞く噂の真相

みんなが思い描くであろう「売れていない芸人像」と、リアルは意外と異なっていたりします。

よく勘違いされていることについて答えます。

怪しい仕事をしている

私が中高生の頃、AV男優は売れないお笑い芸人がやっているとよく聞きました。(わりと地元ではよく聞く噂)
淡い期待もありましたが、そんな仕事一切来ません。
男優なんてまた違ったプロフェッショナルの世界ですし、なりたくてもなれるもんじゃないですしね。

テレビ出るまでは劇場・営業で下積みの毎日

そもそも劇場に立てたり、営業に呼ばれたりする時点で芸人の上位10%くらいなので、もう下積みとはいえません。

何も実績のない若手は、フリーライブという、自分でお金を払って出るライブで経験を積みます。(プロとは・・・?)

ただ、M-1やKOCといった年に一度の賞レースで結果を出すと、こういった仕事にも繋がるので、この世界も捨てたもんじゃありません。

売れない芸人は食えない

よく聞く芸人の貧乏エピソード。
ただ、本当に売れてない芸人はわりと食えています。

バイトをいっぱいやっているから。

おそらく貧乏な芸人というのは、ライブや前節などの仕事が来だしてバイトをする暇がないものの、まだ単価の安い「売り出し中」の芸人のことで、本当の芸人の最下層は芸人以外の仕事で頑張ってます。

特に準社員をやっている人が多い。バイトだけど週5勤務で収入安定するみたいな。

学生時代、アルバイト先にいた正社員にならずにめっちゃ出勤してくるプロフリーターみたいな人は、芸人か俳優かバンドマンなんだろうと、今思う。

あと社会人と掛け持ちするパターンも多いですね。

今の僕の夢

理想と現実は違いました。
芸人になるまでは、お笑いのコンテストで上位に入って、ネタで注目されて、ライブでツアー回れると思ってました。

現実は、M-1もKOCも一回戦で負け、コンビも解散し、何もしていない日常が続いています。
テレビで芸人見てると俺のが面白くねとか思うじゃないですか!?結構あれやってみると難しいんですよ!

でも、やっぱり僕はお笑いが好きです。

今は遠ざかってしまいましたが、また舞台でコントをするのが今の僕の夢です。
とりあえずいつ見せるかも分からないネタを書き溜めながら、寝落ちする日々を楽しみたいと思います。

著者紹介
酒井さっそく(27)
松竹芸能所属の芸人。日本脚本家連盟本科生。20歳のとき、自身が脚本したラジオドラマ作品がNHK全国放送コンテストラジオドラマ部門第一位。その後脚本制作活動に従事。
大学卒業後は一般企業に就職したものの、25歳のとき芸人を志し、翌年松竹芸能所属。
現在は脚本家の傍らピン芸人として地下ライブに出演しています。相方募集中です。
問い合わせ先:maeshiro170@yahoo.co.jp

酒井WORKS

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