植物工場はアリか、ナシか。

WIREDにこんな記事が出ていたので、メモがてらコメントを。

ソフトバンクも出資した「AI屋内農場」の野望──新しい地産地消のかたちが、食糧システムを激変させる
https://wired.jp/2018/03/28/agtech-company-plenty/

食料問題の解決、エネルギーの供給という意味では、穀物生産の観点が必要で、これは現在の植物工場のモデルでは向かない。(サイズや効率というより、設計思想そのものが穀物に最適化することを想定していない、という意味で。)

野菜については、消費地の近くで作り、物流費と時間を削減して鮮度よく届けるには、植物工場は一つの選択肢。

一昔前は水耕栽培だって、「土耕じゃないものは農業じゃない」、「過剰な設備投資や電気代でコストが合わない」って言われてた。
でも今では、補助金が入っているから建てられているというツッコミはさておき(笑)、水耕栽培はトマトやイチゴ、一部の葉物野菜の大規模生産では主流になっている。消費者の大半は、スーパーで買っているそのトマトの生産設備がどんなものかまで調べないし、調べにくい。「店頭にあるものから買う」という意味では、スーパー等に安定供給できる施設栽培は強い。

植物工場もきっとそのうち、一部の作物については一つの有力な生産手段になる。ハーブやエディブルフラワーであれば、すでに採算が取れる工場も生まれている。

僕は、事業を通じて小規模で多様な農家さんを支援しているせいか、植物工場については否定派だと思われているようだけど(笑)、否定する必要は何もない。

食べ物が無くなり争う未来より、作られて供給されることの方がはるかに価値があることだ。「人が食べるものは、人が作る」が基本だし、あらゆる可能性を探っていきたいね。

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