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仕事がなくなってバイトを始めた

9月になると仕事がなくなってしまった。いくつかの仕事を残し暇になった。企画書は相変わらず書いているがこれは基本的にギャラが発生しないので段々と書くのがしんどくなってきてしまった。企画が通らないのである。

このままではまずいので短期で近くの美術館にバイトをすることになった。久しぶりのバイト再開だった。

主に美術館の隣にあるショップにて品出しをしたりレジをしたりする業務。

先週。レジをしていたら一度番組で一緒に仕事したことがある中堅の放送作家が僕のレジに来てしまった。僕は恥ずかしかったので慌てて顔を下げてバレないようにした。ピッと商品のバーコードを読み取りながら代金を受け取り、いつものように「ありがとうございました」と頭を下げる。バレずにすんだ。

僕のことなんて覚えてなかったと思うけど。それでも少し自分の顔が赤くなっていることに気がついた。

後ろ姿を見ながら、きっとこんな僕にしか描けない世界が必ずあるさと自分に言い聞かせた。

バイト先の人は主に就活を終えた大学生が中心で良い人ばかりだった。

たぶんもう僕はダメなのだと思う。自分はこういう仕事をしていて、仕事がなくなってしまったのでバイトを始めたことを休憩時間や暇な時に話した。それから、たぶん僕は夢を諦めると思いますと話した。それでも皆、好意的な言葉を投げかけてくれた。

今、乗り越えたらきっと大丈夫ですよ、と年下の女子大生に言われて泣きそうになったりもした。挑戦してる人間に対して他人は基本的に優しい。

バックヤードのダンボールだらけの部屋で自分の事を語っているのが馬鹿らしくも思えたけど、楽しい時間でもあった。「本物」と呼ばれる人間はどういう場所から出てくるのか、きっと薄暗い埃だらけの所から出てくるんじゃないか、そんなことを思ってみたりもした。

みんな何かしらの目標があって人生を生きていた。それを感じて少し嬉しかったよ。

背が高いので1日何時間も立っていると腰と足が痛くなってしまう。何度も腰と足を叩いた。ルミネの吉本の劇場にいた頃を思い出した。永遠と立っていたな、あの時も。

でもこれでひとまず稼いで本を買ったり演劇を見たり映画を見に行きたい。もっと自分の中で発想力をつけて、感性を磨きたい。

それでどうにか粘ってバラエティやドラマの仕事にありつけるように頑張っていきたい。今後もバイトレポをしていこうと思う。





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