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アヤシイ弁護士サイトの特徴4選

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人を騙す弁護士もいる

突然ですが、弁護士はみんな正義の味方、人を騙すような人はいないと思っていないでしょうか?残念ながらそうではありません。

典型的な例としては、非弁提携の弁護士です。
弁護士資格を持たない者が有資格者しかできない弁護士業務を行うことを「非弁行為」、非弁行為を行う者(「非弁業者」)と提携することを「非弁提携」といいます。これらはもちろん違法・犯罪です。
最近でも下記ニュースのように摘発の事例があります(まだ有罪判決が出たわけでは無いですが容疑について認めているようです)。

非弁提携弁護士の何がダメか

非弁提携弁護士は、非弁業者に業務を任せたり弁護士報酬を山分けしたりといった違法・犯罪行為をしていますが、弁護士事務所ごと乗っ取られたり完全に名義貸し状態で業務に関与していないケースも多いです。
素人が病院で患者を診療しているような状態です。
そんなことをしちゃう、させちゃうようなヤバいやつは法律を守る意識がありません。
乗っ取られた法律事務所は、弁護士でないので業務の質が低い、というよりちゃんと業務を行う気すらないことがほとんどと思います。当然、広告内容も嘘ばっかりです。
もちろん、既存の取引先、リピーター、知人からの紹介案件なんて皆無なので、ネット広告を出して情報弱者(怪しい弁護士の見分けがつかない人)向けの集客をおこなっているケースが多数です。
私見ですが、非弁提携弁護士(及び乗っ取られた法律事務所)の傾向をまとめると、①ちゃんと業務をしない、②騙されやすい人がターゲット(詐欺事件の被害者など)、③ネット集客中心と整理できます。

以下、私が考える具体的な非弁提携弁護士(及び乗っ取られた法律事務所)のwebサイトの特徴をまとめました。
100%個人の見解です。

具体的な非弁提携弁護士サイトの特徴

1. 謎の官公庁のバナー設置しがち

アヤシイ事務所のwebサイト、すなわちLP(ランディングページ。サービス紹介のwebページ)の上部の目立つところに、警視庁、国民生活センター、消費者庁、金融庁などのバナー・ロゴがずらっと横長に並んでいるのをよく見ます。

こんなのが横にずらっと並んでいるイメージ

これって何のため??
警視庁公認サービス・事務所な訳ないですよね?そんな認定制度はないだろうし。
権力がある団体・官公庁のロゴを勝手に使って、あたかも協賛しているかのように見せて、信頼できる事務所かのように装っているだけではないのでしょうか。
これは私見ですが、非弁提携っぽい事務所のLPの80%くらいはこのバナーがあります(2024年6月現在、ちょっと減ってきている印象)。逆に、まともそうな事務所のLPでこれを見たことはほぼありません。

2.  登録番号古すぎ(老いすぎ)、もしくは新しすぎ(若すぎ)

弁護士には全員に登録番号があって、数字が若い人はベテラン、新しい人は新人です。
私は2017年に弁護士になって登録番号は55000番台です(弁護士歴7年くらい)。ザックリ、No.20000→弁護士歴約40年、No.30000→約20年、No.60000→約4年です(2024年現在)。
平均して、弁護士は年間1000人前後増えてます。
1年目の弁護士の平均年齢は30歳くらいでしょうか。

LPに広告責任者として自身の登録番号を載せている弁護士が多いですが、ほとんどの場合、その弁護士が事務所の代表でありweb集客を行う者であることを意味します。
わざわざLPを用意してweb集客を行う事務所の代表なのに、弁護士歴50年(80歳前後)とか、新人弁護士だったら不自然ですよね。
名義貸し弁護士である確率がある程度高いと考えられます。

もちろん、これは弁護士歴のみを元にした推測に過ぎないので、当てはまららないことも普通にあります。
ただし、怪しいなと思った弁護士の名前でgoogle検索して懲戒処分歴が見つかると、これはもうアレだなという印象です。

3. 新型詐欺の被害者をターゲットにしがち

国際ロマンス詐欺、ビットコイン詐欺、ロレックス詐欺、チケット転売サイト詐欺等、社会問題に最近なった・なってきつつある類型の詐欺被害者を救済するとうたうLPは要警戒です。
このような類型が選ばれるのは、流行りの犯罪は被害者が多い一方で他の弁護士が取り扱っていないことが多いため、広告効果が高いからと推測します。また、残念な話ですが詐欺被害者は騙しやすいのだと思います。
しつこいようですが、まともな弁護士もこのような問題に取り組んでいたりします。

また、「必ず取り返します!」、「何度でも無料相談」あたりのキーワードはむむむという感じです。
「必ず取り返します!」は弁護士会規則的にアウトな表現ですね。果たして、まともな弁護士が「何度でも無料相談」を実施できますか?

なお、外国在住の外国人からお金やビットコインを騙し取られたとして、戻ってくることはほぼありません
社会問題化して日が浅い類型の詐欺なのに、返金実績が豊富だと宣伝している事務所は要注意です。

4. リスティング広告しがち

非弁提携弁護士は、騙されやすい人、多くの場合情報を取捨選択するのが苦手な人をターゲットにするので、検索順位が上位に来ることを重視しがちです。他方、非弁業者はweb集客、SEO対策が得意なことが多いという印象です。
よって、リスティング広告を出す(google等の検索エンジンに広告料を払って自己のLP等を検索結果の最上位に持ってくること)ことが多いです。
もちろん、まともな弁護士がリスティング広告を出していることの方が数としては圧倒的に多いですが。詐欺系のキーワードで検索した際に上に出るところは注意した方がいいという印象です。

おまけ. 逆にこれはセーフ(多分)

飲食店を探す際などに参考にする人が多いgoogle mapの評価(星)ですが、これは法律事務所については参考になりにくいです。
上で述べたような悪質非弁業者はステマ(架空の高評価レビュー)だって平然と行います。
まともな法律事務所でも、その弁護士の相手方となった人(例:弁護士への依頼者が離婚事件の妻、相手方が夫)が、嫌がらせ、不満のはけ口として低評価レビューをしていることをよく見かけます。

以上、具体的な非弁提携弁護士(及び乗っ取られた法律事務所)のwebサイトの特徴をまとめてみました。
悪質な弁護士・業者の被害に遭う方が減りますように。


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