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定額音楽配信サービスの検索体験比較

はじめに

音楽の定額配信サービスもそろそろ定着し、各サービス、ユーザーの獲得の施策をいろいろ実施していると思います。今回の記事は曲数やアーティストの数ではなく、純粋に音楽を探して聴く体験にフォーカスして書いてみたいと思います。

比較対象

比較するサービスは以下の二つです。

- Spotify
- Amazon Music

検証の項目

音楽の検索と再生

検証環境

Android 8.0.0

検証の開始

今回は30代である自分の青春時代の曲「globe」を検索してみたいと思います。(すでに知らない世代がいそうなのは気にしません)

Home画面

Spotifyでは、Home画面の下部中央にある虫眼鏡アイコンをクリックして検索画面に移動します。
下部にあり、指が届きやすく操作しやすい印象です。

続いてAmazon Musicですが、こちらはSpotifyと違い下部のナビゲーションには検索への動線がなく、右上に虫眼鏡アイコンが設置されています。
特徴的なのは下部ナビゲーションに”ALEXA”とあり、声で音楽を検索できる機能があります。スマートスピーカーの技術がここでも利用されています。

検索画面

Spotifyの検索画面はこのようなかたちです。上部に入力フォームが設置されています。フォーカスをあてると枠が少し広がりテキストの入力ができます。また、Spotifyコードという独自の2次元バーコードで特定のアーティストや曲を検索することができます。
右側がAmazon Musicの検索画面です。上部にテキスト入力フォームがあり、Spotifyと同じ位置に配置されています。下部の表示だと、キーボードの表示非表示でフォームが隠れたり、位置が動いたりするので上部に設置されているのだと考えます。

Amazon Musicで良いと思った点があります。検索画面に移動した時点でキーボードが開かれています。Spotifyでは検索画面への移動後にフォームをタップすることでキーボードが表示されますが、1動作少なくスムーズに検索が始められます。Spotifyではあらかじめ用意されたカテゴリから選択するよう実装されていると推測しますが、すでに検索したいアーティストが決定している場合はAmazon Musicの方が利用しやすい印象です。

Spotifyではフォームにフォーカスすると、フォームに”<”が表示され、入力をキャンセルできます。これは、フォーカスがあたると端末のキーボードが表示され、入力のキャンセルや他の画面への移動がOSネイティブの機能でしかできなくなるためだと考えられます。iOSでは検証していませんが、iOSでは戻るUIがないため設置されているのだと推測します。

次に検索テキストを入力していきます。Spotifyで驚いたのはサジェスト機能としてテキストの候補だけでなく、候補アーティストのアルバムや、曲もリアルタイムでサジェストされます。欲しい情報に素早くアクセスできるような仕組みが実装されています。

一方、Amazon Musicではテキストのサジェストしかありません。この点はSpotifyに軍配があがります。検索においてこの体験の差は致命的になりえるものだと思います。

検索結果画面

検索画面から移動したアーティストのページです。懐かしい顔が見えています。
Spotifyでは、そのアーティストだとわかる画像があり、ど真ん中には、目をひく色のシャッフル再生のボタンが設置されてあります。アーティストを選んでこの画面にたどりついているのですから、そのアーティストの曲をシャッフルで聴きたいニーズは多そうなのでよい体験かなと思います。
また、その下には人気曲がランキング形式で表示されています。特定の曲を聴きたいニーズに対して、多くのユーザーが選択するであろう曲を表示させています。そのあとは、対象アーティストを聴いているユーザーが聴いている他のアーティストをお勧めされます。
さらにそのあとに、アルバム、シングルEPと続きます。
アルバムとシングルはジャケットの画像が表示され、「こんな感じのジャケットだったよなー」からも探すことができてよいです。
また、スクロールして気づいたのですが、シャッフル再生ボタンは常時上部に表示されています。ざーっとスクロールしてみたのちに、シャッフルで曲を流したいニーズが多いのだと感じました。

Amazon Musicの検索結果画面は最上部に検索結果が表示され、アーティストやアルバムが混ざった状態の表示がされます。その後は、アーティスト、アルバム、楽曲と続き最後にはプレイリストが表示されます。Spotifyでは、楽曲についてアルバムと同じ大きさのアートワークが利用されていますが、Amazon Musicでは1/4サイズの画像となっています。アルバムの大きな単位と楽曲の大きさが違うとということが表現されていて個人的位はこちらの方が好みです。
Spotifyでは検索結果画面の最下部にアーティストの基本情報が表示されていましたが、Amazon Musicは単純に検索結果画面でそういった情報は表示されていません。

まとめ

Spotifyは「音楽発見サービス」と謳っています。綺麗な見た目と洗練されたUIでユーザーに”音楽を発見させる”体験を提供しているなと感じました。
Amazon MusicはSpotifyが綺麗な見た目だけに雑な作りに感じてしまいます。使い勝手は一長一短だと感じました。サジェストのところなど、両方のよい所を考慮するとよさそうです。

二つの音楽配信サービスを比較しました。見た目やデザインはSpotifyに軍配があがり、検索からの再生という体験では、Amazon Musicがキーボードの自動表示で善戦しましたが、やはり総合的にSpotifyに軍配があがるとおもいます。

このあたりの検索のUIは枯れていると思っていましたが、そのほかに触った他の音楽配信サービスでも違いがありましたのでまだ改善の余地がありそうです。

おまけ

最後におまけです。今回の比較の項目にはいれてませんでしたが、音質についてです。単純にビットレートの比較をすると、Spotifyが最大320kbpsでAmaozon Musicは最大256kbpsで、一見Spotifyのほうが音質はよさそうに見えます。音質が良いという定義は何かという問題もありますが、プレイヤーから再生される音に関しては、Amazon Musicの方が少しだけリバーブがかかっており、広がりが感じられます。このあたりは好みによりますが、Amazon Musicのほうが気持ちよく聴けると感じました。

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