野鳥のさえずりが仕事中のBGM

私が住んでいる町には、マクドナルドも映画館もイオンもない。 スポーツジムも、子どもの室内遊戯場もない。
田舎暮らしに不満を感じる時はたびたびあるけれど、ふとした瞬間に「贅沢だなぁ」と気づいて、不満は帳消しになる。

例えば。
今、アパートの網戸の向こうから野鳥の声が聞こえている。3種類くらいの鳥の声が混じっている。私の仕事中のBGMはこの野鳥たちのさえずりだ。

それに、ボーボーに伸び切った雑草たち。花を咲かせて、太陽へ背を伸ばし、自身の生命力に喜びを歌い上げているようだ。
我が家の仕事部屋は南向きではないので、陽は差し込まないけれど、草花が陽を受けて白く輝いているのを見ていると、こちらの心まで照らされているように感じる。

私は東京と埼玉に10年間暮らしていたので、都会暮らしの便利さも楽しさもわりかし知っているつもりだ。
それでも、本物の野鳥のさえずりをBGMにできる田舎暮らしの方が、私にとっては贅沢だなあと感じる。Uターンして10年以上が過ぎたが、まったく後悔がない。

今日のこの町の最高気温は25度。網戸を吹き抜ける風が気持ちいい。