【詩】me & my anxiety

１．黒い水門

これは影　そして近代性、歴史、差別、弱さ、強さ
つまりこれは———不安。

ああ　また
海へ降りていく途中で
一日を不意に使った

傷口を見つめないで
僕は洋服を脱げない
皮膚は赤くただれている

いつかあたたかい海のなかで
泳げる日を…
そう考え始めているのは
彼が来た証拠

「やあ　調子はどう？」
僕を包むように彼は出てきて
海に手を伸ばす男を邪魔する

赤い皮膚から自由になりたい
背中は壁に付けたまま　一日を過ごす
あの海のなかでばらばらになりたい
二度と戻りたくない　この体を忘れたい

「だがそうはいかないのが人生さ」
彼は水門を動かす
黒い水門から濁流が
僕の皮膚炎に染みる泥の水が
溺れる…溺れる…

僕はまた同じ部屋
一日が無機質に終わる

２．声

君の声　僕を励ます
けれど僕の心は動かない

誰かの声　僕を乱す
すぐに僕の心は破れる

君の声　不安の前ではいつでも透明
自分が作った小さな庭の　小さな幸せは
なんでもなかったようだ