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フリーランスの年金は会社員より少ない?おすすめの対策も紹介

「フリーランスになると年金って減るの?」
「フリーランスは会社員よりも国からのサポートが手薄になると聞いたけど、どうやって対策したらいいの?」

会社員からフリーランスになることを検討されている方の中には、老後について漠然とした不安を抱えている方もいるかもしれません。

この記事では、会社員とフリーランスの年金制度の違いや、フリーランス向けの年金制度について紹介しています。

正しい知識でしっかりと対策することで、老後の安心へとつながるでしょう。年金対策を何から始めたらよいかわからず迷っている方は、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。

フリーランスは国民年金の加入手続きが必要

会社員を辞めてフリーランスになる場合、厚生年金を脱退して国民年金に加入する必要があります。

厚生年金は、基本的に会社員やその家族のみが加入対象となる年金保険であるためです。厚生年金の脱退手続きは、ほとんどの場合会社側が行います。

ただし、念のため手続きの流れについては確認しておきましょう。

国民年金への加入は、最寄りの市区町村役場で行います。原則として退職後14日以内に、加入手続きを行ってください。

手続きには退職を証明する書類が必要です。そのほか必要な書類については、事前に役所へ連絡して確認してから手続きに向かうとスムーズです。

国民年金と厚生年金の違い

日本の年金制度は、国民年金と厚生年金の2階建て構造です。国民年金は20歳以上60歳未満の全国民が加入するもので、会社員は国民年金に上乗せして厚生年金にも加入します。

国民年金の保険料は定額で、4月から3月までを年度として毎年金額が見直されます。一方で厚生年金の保険料は給料に対して定率で決まるため、金額は人により異なるのです。

厚生年金の保険料は全額を会社員が負担するわけではなく、会社と会社員で折半して支払います。

フリーランスが受け取れる年金額は会社員よりも下がる

会社員とフリーランスでは、将来受け取れる年金額が異なります。フリーランスは国民年金のみに加入しているため、受け取れる年金額は会社員よりも減ってしまうのです。

2022年現在、国民年金の加入者が受け取れる年金額は、1か月に約65,000円です。

一方で厚生年金の加入者は、国民年金の加入者に加えて1か月あたり約90,000円多くの年金を受け取れます。

年金制度の2階部分があるかどうかで、将来の年金額が大きく変わってしまうのです。

フリーランスは国民年金にプラスして老後に備える必要がある

フリーランスは厚生年金に加入できないため、老後の年金額を増やすには自分で備える必要があります。

この記事では、フリーランスにおすすめの年金関連制度を4つ紹介します。それぞれ特徴があるので、自分に適したものを選んで活用してみてください。

国民年金基金

国民年金基金は、国が行う公的年金の一つです。厚生年金のように、国民年金に上乗せして保険料を納めます。

ただし厚生年金とは異なり、月額68,000円以内で自由に掛金を決められるのが特徴です。掛金は全額所得控除になるため、節税にもつながります。

国民年金基金のメリットは、将来受け取れる年金額が確定していることです。ただし、インフレになるとお金の価値が下がる点には注意が必要です。

また、国民年金基金は、一度加入すると基本的に自己都合ではやめられません。加入する際は慎重に検討しましょう。

付加年金

付加年金は、国が行う公的年金制度の一つです。国民年金の保険料に月額400円を追加で支払うことで、将来受け取る年金額が上乗せされる制度です。

受け取り時は、「200円×付加保険料を納付した月数」の金額が毎年加算されます。

たとえば、30歳から60歳までの30年間(360か月)付加年金を支払ったケースについて考えます。

支払った保険料:400円×360か月=14.4万円
加算される年金額:200円×30年(360か月)=7万2,000円/年

支払った保険料の半額が毎年加算されるので、支払った総額を2年間で回収できる計算です。

月々の金額が大幅に増額されることはありませんが、毎年加算されるのはありがたいですね。ただし付加年金は、国民年金基金との併用ができないため注意しましょう。

個人型確定拠出年金(iDeCo)

個人型確定拠出年金(iDeCo)は私的年金の一つで、掛金を自分で積み立て、金融商品を運用して60歳以降に受け取るタイプの年金です。

毎月5,000円から68,000円までの間で、1,000円単位で積立金額を決められます。国民年金基金とiDeCoを併用する場合は、2つの制度を合わせて月々68,000円までの積立金額となります。

iDeCoは、運用期間中の運用益が非課税であることがメリットです。また、国民年金基金と同様、掛金は全額所得控除になります。

国民年金基金との違いは、受け取れる年金額が運用実績により異なることです。また、手数料や口座管理料がかかることもあるため、事前に調べておくとよいでしょう。

小規模企業共済

小規模企業共済は、私的年金の一つで、個人事業主が廃業したときのために積立ができる共済制度です。

フリーランスにとっての退職金制度のような役割を果たします。毎月1,000円から7万円までの間で、500円単位で積立金額を決められます。

小規模企業共済は、廃業した際に掛金や加入期間に応じた共済金額を受け取れる仕組みです。ほかの年金制度と同様、掛金は控除対象になるのがメリットです。

ただし、ほかの年金と同様、65歳になるまでは原則として共済金額は受け取れません。(※)加入する際は無理のない金額で積立を始めましょう。

※年金としての利用である「老齢給付」のほか、個人事業を廃業した際にも共済金の受け取りが可能です。

年金制度を正しく理解して老後に備えよう

フリーランスは厚生年金に加入できないため、何もしなければ将来受け取れる年金額が減ってしまいます。

一方で、自分の収入に合った年金制度や掛金で、カスタマイズしながら年金対策ができるメリットもあります。

フリーランス向けの年金制度をいくつか紹介したので、自分に適したものを上手に活用して、今からコツコツと将来に向けた備えを進めていきましょう。

なお下記の記事では、年金対策に加えて所得税や住民税などの税金対策についても解説しています。税金対策についても知りたい方は、合わせて読んでみてください。

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