読書note⑥ LIFE SPAN
【タイトル】 LIFE APAN 〜老いなき世界
【著者】 デビッド・A・シンクレア
【ツール】 audible
【読了日】 2021年6月
オススメ度 ♡♡♡♡
少し前に読んだ(というか聴いた)本。
「老化は病気だ」という、センセーショナルな大前提で進められている研究の最前線で書かれているのだが、この内容がとても興味深い。
最新技術を用いれば、人間は何百年も生きることも不可能ではないというのだ。
しかも健康で元気で、若い頃のままの体力で何百年も。
もちろん、その技術が一般に普及するまでにはまだもう少し時間がかかりそうだが、いますぐできる「健康寿命」を延ばすための具体策なども書かれているので、アンチエイジングに興味のある人なら絶対に読むべき内容だ。
ー健康なままで、人類が何百年も生き続けることのできる世界ー
まるで夢物語のようだが、それが実現可能な技術を、人間は作り出している。
そして、こうなると次に出てくるのが「そんな自然に逆らうようなことをしていいのか?」という、いわゆる道徳的な問題だ。
実はこの本の一番面白いところはここで、著者はこうした研究の最前線にいて、実際にそういった道徳的な批判にはいやというほど晒されてきたのだろう。
著者自身の体験や知識、人類と地球が歩んできた歴史や未来への展望、そういったあらゆる角度から、様々な問いに答える形で論が進められていく。
基本的には、「今の人間のどこが自然なんだよ。すでに思いっきり不自然じゃん。」というところから始まるのだが笑
このあたりの考え方は、私の大好きな岸田秀の唯幻論にも通じるものがあり、なるほどねーと感心する部分が多かった。
あとは、モラルというか感情の問題。
「本当に永遠に健康で生きられるとしたら、人はいつまで生きていたいと思うのか?」
「老いのない世界で、『老いる』選択をする権利はあるのか?」
私たちが思い描く「人生」というものの根幹を揺るがすこの問題を、皆さんはどのように考ええるだろう?
ご興味のある方は、ぜひご一読を。