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働く女性が勇気をもって妊娠・出産が出来る話

こんにちは。基弘会編集部デスクの山本です。

前回のくらしのふふふでも触れさせて頂いたのですが、40歳目前で第2子を出産いたしまして、現在は産後休業を終え、育児中の身であります。
産後休業・育児休業中はゆっくりと母体を回復させつつ子育てに取り組む時期ですが、第2子ともなると、子育ては要領を掴んでいるのでなんとなくこなせており、母体の回復もおかげ様で順調でした。
なので、ちょっとずつですが出社せずに自宅で出来るお仕事をさせていただいております。

なんでそんなことをしているのか?ということも含めて、働く女性が妊娠・出産のときに知っておきたい事をまとめてみました。
あくまで私の体験談ですが、参考になれば嬉しいです!

▼現場で体を使う仕事なのに、妊娠しても大丈夫?

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どの業界でも働く女性にとって、まずはこの悩みを抱えることでしょう。

我々介護業界での働き方も、多くは介護施設での「ケアスタッフ」としてご利用者様のケアに当たるお仕事なので、オンラインやテレワークで出来るお仕事ではありません。
そのため、妊娠中は同僚スタッフの理解や協力を得ながら、身体に無理のない範囲でお仕事を続ける。本人も周りも、とても気を遣いながら…というのが一般的でしょう。

では、周りに迷惑をかけないように、仕事をやめて毎日何にもせず、ずっと体を安静にしながら出産までの10か月を過ごす環境を作ってから妊娠する?

いやいや、『そんなやつおらんでぇ~!』です。

昔から人は皆働きながら妊娠・出産をしています。
会社勤めという概念は昔は無かったとしても、生きる上で畑仕事もしたでしょうし、家事などは今よりも重労働だったはず。でも周りの人の助けを借りて、妊娠・出産が繰り返されたので今の人類の繁栄があるんですよね。

だから仕事をしながら妊娠・出産をするのは、自然なことなんです。

でも妊娠したスタッフが同僚にいると周りの人は気を遣います。そして本人も周りの人に気を遣いながら過ごします。

それもまた、当然のことなんです。

周りへの感謝を忘れなければ大丈夫。なんとかなるものですよ。

▼妊娠したらどのタイミングで会社に報告すればいいの?

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これも皆が悩むところですよね。

やはり会社の理解と協力がないと妊娠期間中の勤務はこなせませんので、妊娠7週以降に心拍確認が出来た頃に、まずは上長へ報告するのが望ましいと思います。
しかし妊娠初期は様々なトラブルがつきものです。社内のスタッフへお知らせをするのはやはり安定期を過ぎた5か月以降が良いことが多いので、上長と相談しながらお仕事を調整していきましょう。

介護のお仕事も全てが「重いものを持つ」仕事ばかりでは決してありません。
フロアでご利用者様の見守りを兼ねてコミュニケーションをとったり、簡単な環境整備、配膳下膳など、身体の調子を見ながら出来る範囲の業務内容を組み立てていくことになります。

例えばそれまでは現場でしていなかった広報の仕事を行うのもよいですね。
日々の様子をSNSやブログで公開していくことも、採用・集客において欠かせないお仕事です。そういった仕事に率先して取り組む姿勢を会社に伝えることで、妊娠期間中の「お互いの気遣い」が、「役割分担」に変化して好循環を生むきっかけになります。

▼産前産後休業、育児休業とは?

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体調に問題がなければ、おおよそ妊娠9か月頃までお仕事を続ける方が多く、会社へ申請すれば出産予定日の6週間前から産前休業という法定休暇を取得することができます。
出産予定日を超過した場合、その分産前休業が長くなる、ということになります。
そして出産日の翌日から8週間が産後休業という法定休暇となり、それらを合わせて産前産後休業と呼びます。
特に産後8週間は、特別な場合(産後6週を経過し医師が認めたもの)を除いて就労をさせてはいけないと労働基準法第65条で決められています。

出産直後はゆっくりと母体を休める時期ですので、精一杯休んでくださいね。
そして産後8週以降は、子どもが満1歳になるまで育児休業を申請することができます。

▼出産手当金などの給付金はいつ頃もらえるの?

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私は法律家ではありませんので、出産手当金の詳しい金額などや仕組みについてはぜひインターネットで詳しく書いているページを参照してください。(私が参考にしたページのリンクを貼っておきますね。給付金のシュミレーションまで出来て便利でした!)
私が第1子、第2子と出産を経験してしみじみ感じたことは、

出産前に頂いたお給料を最後に、産後4か月まで自身の収入がゼロになる。

話に聞いてはいましたし、もちろんありがたくも出産手当金などが後々頂けることは百も承知…!
ですが、月々の生活費や自身の住民税の支払い、第1子の保育料などの支出は相変わらず、さらには可愛い我が子のお宮参りにお食い初めと、お金のかかる行事が次々やってきます。
旦那さんのお給料だけで生活が出来て、嫁の収入は貯金してま~す☆というような共働きのご家庭ならともかく、我が家は夫と二馬力で何とか毎月を暮らしている一般家庭ですので、私の月々のお給料が入らずに、どんどん目減りしていく預金残高がため息を誘います。

実感として、3月末に生まれた第1子の場合、出産手当金を頂けたのが7月!
つまり4か月ほど収入がガクンと激減するので、それを見越した金額を貯めておく必要があるんです。

図解

出産手当金を頂いたあとは、育児休業中に頂ける育児休業給付金がその翌月の8月に1回目の支給があり、その次は10月と、2か月ごとに支給を受けることが出来ました。
預金残高の目減りがストップするのは、出産から実質半年を過ぎた頃になります。

長かったなぁ……。

▼育児休業中でも仕事していいの?

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結論としては「ほぼできない」です。

そもそも育児休業とは、会社が従業員へ労働契約において課している労務提供義務を消滅させる制度であり、休業期間中に就労することは想定されていません。労使の話し合いにより一時的・臨時的な就労は認められていますが恒常的・定期的な就労は出来ません。
労使間の話し合いによって異なりますが、とってもややこしいので実際はほぼできないと考えてよいでしょう。

ですが、私は第1子の出産後に経験した感情があります。

マズローの欲求段階説をご存知ですか?

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「生理的欲求」「安全の欲求」「所属と愛の欲求」「承認欲求」「自己実現の欲求」という5つに階層化された欲求が人間だれしもが持っており、その欲求への取り組みと人の健康度は比例する、というものです。

私も働く女性でしたので、出産までは毎日仕事に行き、誰かの役に立っている!という承認欲求までが満たされた状態で過ごしていました。ですが産休・育休に入るとそこが満たされなくなってしまいました。

毎日朝起きて仕事に行く旦那さんを送り出し、子どもの世話をし、旦那さんの帰りを待つだけの1日。
これが私にはとんでもなく耐えられませんでした。

「私は今、何のために生きてるんだろう。」

もちろんこれは人によっても違って、子育てで承認欲求を満たせる人もいると思います。でも、私にとってそれは承認欲求を満たす行動にはならなかったのです。
人によって感じることは様々だと思いますが、私は仕事復帰のめどが立っていなければ、この要因により確実に産後うつになっていたでしょう。

私は生後半年から保育園を利用することが出来たので、賛否両論はありますが、早々に仕事に復帰させていただきました。

▼生後半年から保育園に預けてどうだった?

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結論は、「保育園に預けて良かった!」です。

仕事に復帰させていただいて、勝手な自身の承認欲求が満たされるようになると、自分の心が健康になるのがわかりました。
手がかかる子育てにも穏やかな気持ちで対応できるようになりましたし、昼間離れて過ごす分、夜やお休みの日はしっかり子どもに向き合える心のゆとりが持てるようになりました。
子どもにとっても、家庭で私と1対1では受けられない刺激や経験を、保育園でたくさん受けられ、子どもの心と体の発達にとっても良かったと実感することが多かったです。

「3歳児神話」なんて言葉も耳にしますが、とんでもない。

子育て素人な私だけの拙い子育てよりも、保育士というプロの力を得て一緒に育児をしてもらえるほうが、よっぽど子供の成長には良かったんじゃないかと、私は思っています。

▼子育ては感謝の心を教えてくれた

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私は妊娠・出産という経験を経て、自分は周りの方々に支えられて生きている、ということに改めて気付かされました。
毎日が感謝の連続なんだと。

子育てをしているつもりですが、むしろ子どもに母親として、人として育てられているのです。

誰かに迷惑をかけないと、助けてもらえないと、人は生きてはいけません。
妊娠・出産は、そんな当たり前で忘れがちなことを思い知らせてくれます。

だからこそ、助けてくれる周りの人々に今は感謝をして、いつか自分も誰かを助けられる存在になれればそれで良いんだと思います。
社会はそうやって成り立っているのだと。

現在、第2子の育児中。

だから冒頭でも、自宅で出来る仕事をしていると申し上げましたが、これは弊社がそこまでして働かなければいけないほど人手不足であるというわけでは決してなく、私が承認欲求を満たすために必要なことなのです。

仕事とは、私にとっては心の健康を保ち、楽しく育児に向き合うための大切な活動。
そんな活動をさせてもらえる我が社には感謝してもしきれません。

働く女性の方へ、私の経験が少しでも勇気を届けられたら、嬉しいなと思います。

text by 山本


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